シミュレーションとISD

 今日はデザイナーインタビューの課題の提出日でもあった。自分のはインタビュー相手に恵まれたおかげでなかなかいいプロジェクトになった。インタビューをしたクラーク・アルドリッチ氏はもともとe-learning関連のコンサルタントで、e-learningを普及させる立場にいたのだが、普及に値するいい製品がないということで、自分がいっちょお手本になる質の高い製品を作ってやろうということで、コンサル会社をやめて自分の会社を立ち上げて、リーダーシップトレーニングのシミュレーションを3年かけて開発した。彼の努力は実って、昨年のe-learningベストプロダクトに選ばれた。彼の気合は並大抵でなく、リーダーシップモデルも、シミュレーションのエンジンとなるAIも、インターフェースも、すべて一から作り上げた。既存の専門家やコンテンツはすべてリニアなコンテンツのための専門家であって、シミュレーションのような非リニアコンテンツを作るには用を足さなかったからだ。残念ながらISDの専門性も、かなりリニアな教育コンテンツの開発が前提であり、シミュレーションの開発には不十分だ。これからシミュレーションのような非リニアなコンテンツを利用した教育の重要性が増すのは自明であるから、日本で普及すべきISDはそうした非リニア性も取り入れたものにしていくべきだろう。