上野から新幹線と特急を乗り継いで、夜7時過ぎに金沢に到着。宿は繁華街の片町にあるビジネスホテル。ここも4400円で無線LAN無料で朝食付きというお得さである。翌朝、熊本大の北村さんと合流し、学会の会場である金沢学院大へ。バスに揺られて、やあ着いたと思いきや、着いたのは山の向かいにある「北陸学院短大」だった。学院という言葉に反応してバスに飛び乗ったのがまずかった。タクシーを呼んで、山の向こうにある目的地へ急行。北村さんが一緒だったので、やっちまったねーわははは、という感じですんだが、一人だったらいきなりめげてたことだろう。
初日は人の発表を聴くだけだったので、日本の学会とはどういうものか、と様子見気分で参加していた。なるほどこういう感じですか、皆さんずいぶんお手柔らかですね、と思って聞いていて、後で聞いてみるとこの学会と他の教育系の学会とはまた様子が違うらしいので、教育システム情報学会とはこういう感じですか、と認識するのがどうやら正しいらしい。今日聞いた発表の中で一番興味をひいたのは、有田焼の職人のろくろ回しの過程を8方位から撮影し、学習者の見たい方向から映像を見ることができるというマルチメディア教材の発表だった。マーケティング先行のぬるいマルチメディア教材ではなく、職人の意見を取り入れながら、必要な撮影角度や教えたいポイントをしっかり記録した素材を使っているようなので、実際に使えそうな印象だった。自分もこういうのを作ってみたいな、と思わせる内容だった。
ゲーム系の発表もあるにはあったが、基本的には目新しいものはなく、SFCではもう10年以上前から実践されているゲームプログラミング教育とかぶった内容だったり、海外の事例をもう少し見ていけばもっと研究の精度もあがりますよ、という内容だった。あと、全体的に質問も少なく、質問は少ないのを前提にセッションの日程が組まれているので、なお質問も出にくいという感じだった。2時間に8件の発表はちょっと過密だなと思ったが、こういうものなのか。
岩手から熊本大へ移籍した鈴木先生と再会し、早稲田の向後先生やメディア教育開発センターの田口先生、産能大の古賀さんたちにお会いした。お噂はかねがね、という感じだったので、お会いできてうれしかった。
夜は鈴木先生たちと品のよい加賀料理屋へ行って、じぶ煮や太キュウリや刺身など、土地のうまいものを食した。せっかくのご馳走だったが、まだ時差ぼけで、夕飯時は徹夜明けに食べる飯のような感じがして、いい飯も酒も大して美味く感じなかったのが残念だった。