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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第41号)

発行日:平成15年5月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 町長さんの問い

2. 教育特区追加構想への三つの感想

3. 追試の不可欠−批判精神の貧困

4. 第22回大会総括   「継続」と「力」−「革新」と「伝統」

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

MESSAGE TO AND FROM

   第22回の「生涯学習実践研究交流会」が終ってたくさんのメールやお便りありがとうございました。いつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

ご質問の皆様へ

   40号の編集後記に書いた「先駆け」の女性町会議員候補者はどうなったか?とお尋ねがありました。彼女はトップ当選したそうです。時代は動いていますね。

 長崎県時津町 藤本勝市様

   振り返ってみたら15年が経ちました。久々に「交流会」の席でお目にかかり感慨ひとしおのものがありました。お互い元気に活動する舞台があって何よりのことです。熟年世代は今日の日本社会の反映を築き上げた功労者ですが、生涯学習(スポーツ)を正しく選択しない時、誠に皮肉なことですが、彼等の心身の機能が衰え、「厄介老人」として社会に依存すれば、次の世代の未来を滅ぼすことになると心配しております。折しもベビーブーマーが大量定年を迎える時期です。「労働」に代わり得る「活動」を創造できるか?生涯学習の真価が問われる時代が来たと痛感しております。

 鳥取県鳥取市 北村秀徳様

   倉吉市での研修はお世話になりました。あなたを始め、松浦さん、岸本さんが、懐かしいみなさんとの再会の機会を作って下さったのでふたたび新しいネットワークが生まれそうです。交流会の総括にも書きましたが、継続だけでは力にならないことは、人間関係も同じですね。皆さんの熱意で実験ダイアローグもぶっつけ本番にも関わらず何とか成功致しました。田村さんから受講者のご意見をまとめたメールも届き新しい足掛かりをいただきました。岩垣先輩校長も、山田先輩教育長も生涯学習の戦力としてお招きしようではありませんか。松浦さんから3人一緒の「風の便り」の申込みも届きました。お役に立てるよう執筆も頑張ります。

島根県佐田町 清水正顕様

  今回はよくぞ遠くからお出かけ下さいました。珍しく久田さん、満倉さん、高橋さん、上田さんそしてあなたと、私がお会いしただけでも、各県から多くの現役校長先生がご参加下さいました。陰ながら喜んでおります。校長のお立場から見て、交流会に集まった人々、そこで報告された事例はどのように見えるのでしょうか?どこへいっても「校長」で、常に皆さんから大事にされて、長い年月を組織のトップとして暮らすと肩書きが外せなくなると聞きます。皆さんと話ができましたでしょうか?先日の鳥取県のインタビュー・ダイアローグでは公民館長を勤める退職校長の非弾力性が職務を遂行する上でいたく不評でした。校長職在任中に「精神の固定化」が起るからであろうと想像しております。今回に懲りずにまた、お出かけ下さい。再会を楽しみにしております。

鹿児島県串良町 豊重哲郎様

   貴重な資料をありがとうございました。今回の発表をお聞きになった皆さんが異口同音にあなたのエネルギーと実践に圧倒されたと感想を述べていました。行政の支援を受けず、資金を作り、高校生を組織化し、「土着菌」を発明し、運動遊園を創造し、ふるさととふるさとを遠く離れた人々を繋ぐ手法を発想することは、まさに企画の勝利というべきでしょう。しかし、巻頭の小論に記した通り、従来の共同体地域も、自治公民館組織も一般論としては衰退傾向をとめることは出来ないであろうと予想しております。柳谷自治区の事例は、企画はもちろんリーダーシップの勝利と総括して過言ではないと思います。強烈なエネルギーをもった適切な指導者を得た時は一時的に共同体が蘇るということが良く分かりました。それが柳谷地区の実践例であると思います。しかしながら、おそらくはあなたというリーダーシップの存在を除いては、同じプログラムであっても、他の地区に普遍化することは難しいであろうとも考えております。過渡期の優れた生涯学習実践事例をどこまでモデルとして普遍化して論じ得るか、理論研究の危うさを自覚しております。

福岡県春日市 田中久記様

   お便り拝見致しました。ボランティアに対する社会の処遇は私が予想した以上に悪いようですね。福祉の指導者に第1の責任、生涯学習の指導者に第2の責任があると思います。今のままでは、生涯学習の「志縁」も、「学縁」も高齢期の人間関係と自立的な活動を支えるほどの効力は持たないようですね。自分のボランティア経験から類推すると子どもの指導は「子縁」を生み出し、相手が人間であるだけやりがいに繋がるような気がします。しかし、問題は熟年層が子どもを指導できるだけのエネルギーと見識を維持しているかということでしょう。学校支援ボランティアが掛け声だけでそれほど機能しないのはそこに主たる原因があるような気がします。お互い活動の探険を続けることにしましょう。夏には時間を見つけて「宿題サポート」活動を実践してみたいと考えていますが、上手くできましたらご喝采!

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