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生涯学習通信

「風の便り」(第59号)

発行日:平成16年11月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 幻想ではないのか?−「こころを育む」シンポジューム

2. 幻想ではないのか?−「こころを育む」シンポジューム(続き)

3. 「型」の教育

4. 第51回生涯学習移動フォーラム報告:溺れるほどの「論語」

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

MESSAGE TO AND FROM

  メッセージをありがとうございました。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

★ 福岡県矢部村 松尾重根 様
  過分のお言葉、過分の郵送料をありがとうございました。わたしは学生時代に学んだ教育学の抽象性への批判から「実践無くして発言権なし」を自分への戒めとしております。現場の方々からの評価が何よりの励みになっております。すでに「無印」の評論者となった我が身にどのような実践の現場が与えられるか分かりませんが、当面関わっている三つの実践を大事にしてがんばって参ります。

★ 島根県益田市 西島健夫 様
  「風の便り」のご推薦をしていただいているそうで感謝申し上げます。当面の課題は、前号の巻頭小論に書いた通り、人間の能力について、これまでの「二分法」による認識の失敗を修正することです。具体的には、関わっている「寺子屋」事業の子育て支援に於いて、「戦力のグレイゾーン」にある熟年者の発掘と支援をやってみます。少しでも前進が見られましたらまた紙上でご報告します。高齢者の元気は、医療費の分でも、介護費の分でも「見えない計算」ですが、何とか指標化して測定ができないものかとあれこれ工夫をしているところです。

★ 熊本県山鹿市 後藤忠久 様
  ご勤務先が変わられたのですね。変わらぬご支援をいただきありがとうございます。義務教育費の国庫負担のシステムが変われば学校は地方の発想・工夫次第で大きく変わる時代が来ると予感しています。文部科学省は未だに学校のコミュにテイ・スクール化の意義が分かってはいないようですが、女性の社会進出を支えるためにも学校施設を活用した、地域における保育と教育の総合化は不可避の課題になって行くと考えます。特に、小学校の施設を「休暇中や放課後の保育と教育」に開放することは地方財政を補う上でも不可欠の施策になるでしょう。朝日新聞は独自の全国調査を基に「学童保育の施設整備追いつかず」の見出しで特集記事(2004.9.15)を書きましたが、施設が足りないのではなく、彼らの思考が貧しいのです。記者達の発想もまた現行の学校施設の「目的外使用」の呪縛から自由になれないでいるのでしょう。人間が決めたものは必要に応じて人間が変えればいいのだと思います。私の今年の目標はある町長さんと協力して、学校の実質的コミュニティ・スクール化を進めることになるでしょう。

★ 佐賀県佐賀市  関 弘紹 様
  過日の「こころを育む」シンポジュームはいろいろとご配慮ありがとうございました。職員の方々の感想をお聞かせいただき多少はほっといたしました。皆さんが "面白かった"とお感じになったのであれば何よりの事です。しかし、当方は欲求不満が残るシンポジュームになりました。司会の鴻上さんもさぞやストレスが残ったことでしょう。最大の問題は「心」という難しい問題に焦点が絞れなかったことでしょう。児童センターの子どもの活動やその方法を紹介することは「心を論じたこと」になるのか?わんぱく塾の活動はどのような心を育てようとしていることにつながるのか?活動の結果「こころ」は育っているのか?どのようにその結果を示すのか?
  長崎の「こころ根っこ」運動も似たような傾向にあるのですが、「心」とはなにか?何が変わったら心が変わったことになるのか?そもそも子どもの心を日常の具体的指導場面で捕らえることができるのか?期待する心の成長をどのように果たすのか?肝心のところをはっきりさせないで論じるから話が論点をそれて堂々巡りになるような気がします。
  今月の巻頭小論で整理を試みました。

★ 広島県千代田町 久川伸介様
  ご丁重なるお便りに接し感激しております。過分の郵送料もありがとうございました。1,700名もの参加者を引き付ける事のできる企画とネットワークに驚きました。皆さんの力とこれまでの生涯学習革命が蓄積してきた「選択する市民」の行動力が一つになった結果であろうと拝察しております。合併の進展と同時に行政の合理化はますます進みますが、社会教育が地域が本当に必要としている事業をやれるか、否かが問われるのだと思います。学級・講座の企画運営だけの公民館は間違いなく終わります。来年は新しいモデル事業を提案できるか、それとも理屈だけの「講釈士」で終わるか、自分の実践の正念場でもあります。


過分の郵送料をありがとうございました。
★ 福岡県立花町 中村富治様
★ 福岡県庄内町 正平辰男様
★ 熊本県山鹿市 後藤忠久様
★ 福岡県宗像市 岡嵜八重子様
★ 山口県宇部市 上田展弘様
★ 広島県千代田町 久川伸介様
★ 鳥取県益田市 西島健夫様
★ 福岡県矢部村 松尾重根様
★ 福岡市 菊川律子様
 

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