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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第58号)

発行日:平成16年10月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「戦力」のグレイゾーン

2. KJ法の威力と男達の呪縛

3. 「寺子屋」効果と「母の便り」

4. 第50回生涯学習フォーラム報告 「素読、朗誦、暗唱の教育論」

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

MESSAGE TO AND FROM

   メッセージをありがとうございました。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

★ 山口県山口市  西山香代子様          
   励ましと過分の郵送料をいただき感謝申し上げます。地道につないで来た仲間がようやく動き出す時がきたでしょうか!?合併その他の外部要因があることは重々承知しておりますが、結局物事を動かすのは人間の熱意と創意でしょう。皆さんの活動がなんらかの具体的動きになって実を結ぶことを楽しみにしております。賑やかに見せる人寄せのためにいくつもの事業を重ねてはいけませんね。結局はすべてが中途半端になり、あなたも研修生と共有すべき大事な時間を別の事で駆け回るはめになりました。人が人を理解するには共有する密度の濃い活動時間が必要なのに・・・。

★アメリカ合衆国ペンシルヴァニア州 藤本徹 様
  筆者の第50回フォーラム論文において、音読/素読効果の論証とした川島隆太さんの著作に付いて藤本さんから下記の意見が寄せられましたので紹介します。ハードウェアがあって、ソフトウェアがあって、さらにその使い方に付いての工夫があるのならば、それはユースウェアとでも呼ばれるべきものでしょう。読書にも様々な読書法や形態がある以上、コンピューター・ゲームについても、テレビについても各種の利用法を検討した上で、脳の働きとの関係を見るべきなのでしょう。大変参考になりました。

『川島さんの研究はたいへん有効でさらに推し進めていくべきものだと思いますが、教育工学者の立場から言わせていただくと、これは彼だけに任せてはいけない研究だなと思いました。今度研究内容をきちんと拝見しようと思いますが、テレビやコンピューター・ゲームは前頭前野を鍛えないという結論は、テレビやコンピューター・ゲームの教育メディアとしての可能性を阻害するものであって、このような形で言いっぱなしにすべきものではないと思います。音読や黙読のように学習方法、メディアの使い方による効果の差を見ているのですから、テレビ、コンピューター・ゲームというだけでなくて、それらの使い方の違いも調べるべきものです。

ゲーム脳の森博士(編集者註:コンピューター・ゲームで遊んでいる時の子どもの脳波形が痴呆老人のそれと重なっていることを実験的に証明して大きな反響をよんでいる。)のもそうでしたが、どうも彼ら年配の研究者の方々には、自身のもつそうした新しいメディアに対する無関心や無理解が研究結果に反映されて、新しいメディアへのネガティブな論調を助長するような不十分な研究結果を世に送り出す傾向があります。そしてそれを教育委員会やPTAのような人々が拡大解釈して若い世代の文化を否定するような論調を形成している面があります。このような教育界の動きは若い世代との断絶や、広くはメディア産業の停滞を深めこそすれ、相互理解や歩み寄りを生むことはないと思います。
ただ、年配の研究者にそこまで期待するのは無理な話なので、若い研究者がこうした研究を踏まえた形で新しいメディアがさらに教育に貢献するということを示す研究をしていく必要があると考えています。(以下略)』

★岡山県岡山市 福原洋子様                 
  いろいろとご配慮ありがとうございました。実践なくして発言権なし、と若い頃から言って参りました。いくつかのパイロット事業は生涯学習実践の「証し」です。結果的にこの「便り」を書き続けることができました。理解者の応援のお陰です。福岡の企画委員会は12月から第24回の中・四国・九州地区の生涯学習実践研究交流会の準備を始めます。来年はあなたのリーダーシップに期待しております。岡山の発表者をお連れ下さい。たくさんの理論家がいました。たくさんの賛同者もいました。しかし、ほんのひとにぎりの実践者しかいないのが実情です。理論と実践の間には深い谷があります。エネルギーのある人間だけがこの谷を飛びます。一緒に飛びませんか!?ラブレターのようになりました!!お許し下さい。
 

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