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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第110号)

発行日:平成21年2月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 生涯学習事業編成の視点の変化 

2. 司会者の目線-インタビュー・ダイアローグへの抗議

3. 司会者の目線-インタビュー・ダイアローグへの抗議(続き)

4. 子どもに貢献の志、生きる姿勢を教える -教育公害を予防するために-

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

子どもに貢献の志、生きる姿勢を教える -教育公害を予防するために-

 テレビや新聞の報道における若者の犯罪を検証してみて下さい。彼らに欠けているのは規範であり、他者との協調の精神であり、人間の情であり、その大元となる貢献の志です。彼らは、恐らく、社会生活の成り立ちを体験したことがないのです。もちろん、厳しい鍛錬や修行も経ていないのです。それ故、がんばったことを褒められたこともなく、他者の役に立つために働いたこともなく、したがって感謝の言葉をいただいたこともなく、周りから必要とされたこともなく、したがって己の存在感も、有用感も実感したことがなく、それゆえ前向きに生きる姿勢が欠如しているのです。いろいろな地域に伺って子どもの生きる力の鍛え方を提案しておりますが、反応はまさに千差万別です。筆者にとってはいささか寂しいところですが、判断は国民の決定ですから致し方ありません。
 しかし、研究者として断言出来ることは、この国の幼少年教育の混迷はまだ続くということです。したがって、非行も犯罪も不登校も引き蘢りもまだまだ続きます。先日は犬たちを連れて遠出の旅にでて、キャンプをしました。何人かの人が若者の「オヤジ狩り」に気を付けなさいと忠告をされました。事実筆者も宗像市で被害にあった30代のサラリーマンを知っていました。万一の場合は、戦うと決めて、車に木刀を積んで行きました。情けない時代になったものです。大学時代、野宿と学校の宿直室などに泊めていただいて、1週間も10日も、のんびりと無銭旅行が出来た時代は夢のようです。
 すべては教育の失敗のつけです。志も生きる姿勢もあるべき観念を幼少年期に植え付けなければなりません。そこで今年度から小学校に英語が導入されるのを機に、和英両文の朗唱プログラムを工夫をしてみました。
発想の原点はケネディ大統領の就任演説にあります。「アメリカが何をしてくれるかではなく、諸君がアメリカのために何ができるか、を考えよ!」というスピーチを原型としています。受け入れてくれる学校もあり、受け入れを拒否する学校もあるでしょう。しかし、提案によってまずはその第1歩を踏み出しました。発信したメッセージは「ソナー探知機」です。"電波"に反応が返ってくれば学校や教員の現状と実態の断面図が浮き上がって来るだろうと予想しています。


K小学校 挑戦の精神

褒められることは嬉しいことです
役に立つことはさらに嬉しいことです
必要とされることはもっとも嬉しいことです
私たちは他者への貢献の中で自分を試し、
貢献を通して新しい出会いに出会い、
人々の役に立つことでやり甲斐を学びます
そのためにこそ挑戦の精神が不可欠なのです

私たちは、家族が何をしてくれるではなく、自分が家族のために何ができるかを考えます。
私たちは友だちが何をしてくれるかではなく、自分が友だちのために何ができるかを考えます。
私たちは、ふるさとが何をしてくれるかではなく、自分がふるさとのために何が出来るかを考えます。
私たちは、母国日本が何をしてくれるではなく、自分が母国日本のために何が出来るかを考えます。
これがK小学校挑戦の精神です。

We will not think what our family can do for us, we will
think what we can do for our family.

We will not think what our friends can do for us, we
will think what we can do for our friends.

We will not think what our home town can do for us, we
will think what we can do for our home town.

We will not think what our country can do for us, we will think what we can do for our country.

This is the challenging spirit of K Elementary School.
 


   

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