英国人セレブリティシェフ、ゴードン・ラムジーのレストランのシェフを目指して料理人たちが競うリアリティショー「ヘルズ・キッチン」は今年は3シーズン目で、夏の人気番組として定着した。秋からはゴードン・ラムジーがあちこちのレストランに乗り込んで行って罵声を浴びせるリアリティショーが始まるそうだ。
番組では、毎回小チャレンジをして勝ったチームがご褒美に豪華な体験ができて、負けたチームは掃除や下ごしらえなどの雑用を課される。その後レストランを営業して、その日のパフォーマンスの悪かった挑戦者がひとりずつ脱落するというおなじみのスタイル。
今週の放送では、残った5人が高校のカフェテリアに出向いて高校生たちのランチを作り、一番人気のあったメニューを出した挑戦者が勝ちというチャレンジをだった。勝った挑戦者の女性たちは、プライベートジェットでラスベガスに飛んで、豪華なスイートに泊まって、昨年の優勝者が経営するレストランで食事をして、優勝した時に味わう生活を体験していた。
泊まったホテルのスイートのトイレには日本ではありふれたシャワー式トイレが設置されていて、それにやたら感動して、他の挑戦者たちにそのトイレがいかにすごかったかを力説していた。この人の反応は今のアメリカ人のシャワー式トイレに対する普通の感覚らしい。数年前から日本のトイレメーカーはアメリカでの販売を開始しているものの、なかなか普及していない。まだ実際に一度も見たことはないし、この番組で登場したように、ラスベガスのような観光地の高級ホテルに行けばかろうじて見られるくらいなのかと思う。
アメリカ人も日本に行って使用したことがあれば、その素晴らしさを理解して、この挑戦者の女性のように受け入れるものだが、生活の基本的な習慣にまつわる観念というのはなかなか変わりにくいようで、なかなか普及にはつながっていない様子。アメリカ人のアメリカンな感覚では、この製品はいつまで経っても生まれなかっただろう。そういえば、発明家オーディション「アメリカン・インベンター」では、前に立つと自動的に便座が開く発明を誇らしげに持ってきた発明家がいたが、そんなものは日本ではとっくに実用化されてるよと思った。
日本のメーカーの細やかなこだわりは素晴らしいし、日本はこういうところは便利でよいなとつくづく思う。10年もしたらアメリカでもシャワー式トイレがあちこちで見られるようになるのだろうか。