冬休みの運動不足解消にと思って買ってきたアイトーイ・キネティック、思った以上によくできていて、とても活躍している。アイトーイ・キネティックは、PS2用のカメラの前で身体を動かしてコントロールするタイプのゲームシリーズ「アイトーイ」を使った、エクササイズツールだ。他のアイトーイ製品と一緒にゲーム売り場で売っているが、ゲーム的な要素は限りなく薄めてあって、あくまでもマジメにエクササイズをやるためにデザインされているので、ゲームではなくエクササイズツールとでも呼んだ方がしっくりくる。
このツールのメイン機能であるパーソナルトレーナーを選択すると、年齢や普段の運動量などの簡単な質問に答えて、自分のプロファイルを作成する。トレーニングに進むと、ウォーミングアップに始まり、カーディオゾーン(ボクササイズ系の有酸素運動)、コンバットゾーン(やや激しめの打撃系運動)、マインド&ボディゾーン(ヨガと太極拳っぽいバランス運動)のそれぞれの用途でデザインされたミニゲームが日替わりで提供される。最初の週は二つでだんだん増えて行って、最終12週目には4、5つのゲームが課される。ミニゲームの後はトーニングゾーン(筋トレ系とヨガ・太極拳系)の運動、最後にストレッチ、という流れの個人メニューが12週分作成される。毎回アクセスするたびに個人トレーナーが現れて、今日はこれこれをやりましょう、と指示をもらいながら、流れに沿ってエクササイズができる構成になっている。
デザインがいろんな面から見てとても優れていて、この手の独習教材としての完成度は群を抜いているんじゃないかと思う。まず、「ゲーム機を使って運動する」という、何となくイケてない印象を払拭するために、徹底したスタイリッシュ路線でデザインされている。ナイキブランド、本格的なフィットネスメニュー、フィットネスジムっぽいグラフィックデザインを駆使していて、ゲームというよりは、インタラクティブなフィットネスビデオ教材に仕上がっている。マーケティングをきっちりやって、ターゲットとなるユーザー層を明確に捉えていることがうかがえる。
個人的には、淡々としたペースなのがとても気に入っている。この手のフィットネス教材にありがちな、過度なハイテンションさがない。ひたすらブリティッシュアクセントの女性トレーナー(男性トレーナーも選べる)が落ち着いたトーンでフィードバックしてくれるので、うるさくなくてちょうどいい感じでトレーニングできる(個人的にブリティッシュアクセントで話す女性に弱いのも好感度に若干影響してる気もするが)。
プレイするゲーム自体は、アイトーイ・プレイのゲームと基本的には大差ないのだが、ゲーム技術を使ったインタラクティブ教材のようになっていて、デザイン次第でプレイ感がまるで変わることが実感できる。また、インストラクターのデモ部分は、この部分だけ見るとビデオやDVDの教材みたいなのだが、ゲームのインタラクション、カメラで自分の姿を見ながら調整できること、それにトレーニングの履歴に応じてメニュー内容やレベルの調整がされること、それらの組み合わせのバランスの良さによって、ビデオ教材以上の付加価値を生み出している。
このアイトーイ・キネティックが向いている人は、独習OKな人。たとえば、フィットネスクラブ行って下手なインストラクターや周りに合わせたりするくらいなら、独りでやるわ、という人。あるいは、あまり運動してるところを人に見られたくなくてこっそりやりたい人。逆に、エクササイズに人との交流やコミュニティを求める人、フィットネスは仲間と一緒でなくちゃ、という人には向いていない。あと、ある程度のスペースが必要なので、テレビの前にすぐソファがあったりベットがあったりする部屋では物理的にプレイできないのが難点。広いリビングでプレイするか、これをプレイするために部屋のレイアウト変更が可能な人でないと使えない。ちなみにうちはベッドルームに設置してあって狭いのだが、少しレイアウトを変更することでかろうじて最低限のスペースが確保できた。
そういう向き不向きや物理的制約はあるが、指示に沿ってエクササイズすれば、ペースが保てるし、やってることは本格的なので効果は高い。飽きっぽい性格な自分がいいペースで続けられている。最初はあちこち痛くなって仕方なかったが、今では鈍りのとれた筋肉が身体をサポートする心地よい感じを得られるくらいにエクササイズできているので、このためにPS2買ってもいいくらいお勧め。それにインストラクショナルメディアデザインのよい例でもあるので、マルチメディア教材の研究や開発をしている人は、デザインを見るためだけに試してみても損はない。
あけましておめでとうございます!
年末年始は旦那の故郷へ行ってました~
料理の食べすぎで太ってしまったので、ぜひ、このゲームを購入してダイエットしますよー。
今年もよろしくお願いします!