今朝はNittany Lion InnでLarryとRadical Thinkersコミッティメンバー3名でホテルビュフェの朝食。プログラム持ちなので役得である。院生有志の主催するディスカッションセッションにこのような大物をセッティングしたJoshはエラい。彼一人でこのグループのスタンダードをあげていてなかなかのものである。私が先日セッションをコーディネートするに至ったのも、このスタンダードの高さの賜物であるので彼には大変感謝である。
朝食ではニューヨークタイムスの社説を取り上げて、いい教師を増やして、クラス定員を減らせばいい教育になるというのは幻想であって、そんなことは不可能である、という話や、ラーニングサイエンスの分野としての盛り上がりについての話が特に印象深かった。他にもシャンクの最近の活動や、Kurt Squireのゲーム研究の話など、興味のある話が盛りだくさんだった。彼の雑誌は研究論文集ではなく、雑誌として編集されているので、その時々に注目される理論や研究で特集が組まれていたりする。それを40年近くも続けてきていて、教育工学界の成長を支えつつ、ともに成長してきた雑誌である。
朝食後、いったん仕事に戻ったあと、またキャンパスに戻ってきて、今度はRadical Thinkersのセッションである。いつものようにビデオ収録係をやりながらセッションを聴いた。参加者は20人ほど。数人の教員と、残りは院生である。「Timidity of Educational Technology(教育工学の小心さ)」というテーマで、教育工学研究が幅の狭いメディア・テクノロジー研究に終始しているのでなく、本来は教育システムのデザインの役割を担うべきでないか、という問題提起から議論が進んだ。カリキュラム研究、学習科学、教育心理学、などいろんな関連分野があるが、教育工学がそのかさとなる概念であり、メディア開発やテクノロジー研究の部分にばかり目を向けて、教育工学の概念を狭めてはいけない、教育システムのデザインを志向していくべきであるというようなLarryのコメントを軸に、いろんな立場からの議論がなされた。いつものように1時間はあっという間に過ぎて盛会のうちに終了。