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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第46号)

発行日:平成15年10月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「学校マニフェスト」の時代

2. 政治問題の背景

3. 第39回  大分県立生涯教育センター移動フォーラム 「地域の教育力を問う」

4. 総合的学習の破産−文教政策の清算

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

MESSAGE TO AND FROM

   先月は久々にアメリカへ参りました。「やったことのないこと」、「出会ったことのない方々」、「行ったことのないところ」へ出かけるのは、「固定した精神を揺さぶり、縮こまった感情を解き放す効果」がありました。住み慣れた暮らしを繰り返し、同じスケジュールに安住していると老いた精神はますます早く衰えると実感し、改めて異国の旅の重要性を思いました。9月号では、お便りの返事も差し上げず、フォーラムレポートも飛 ばしてしまいました。お詫び申しあげます。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

佐賀県佐賀市 馬場三恵子様

  留守中のフォーラムにすばらしい発表をいただいたと聞きました。有難うございました。御縁を頂いた福岡県豊津町のセミナーも準備が追い込みです。今年は学校の全面的なご協力を頂くことができそうです。かつて「守役」が教育の基本であったように、今は「学校」が基本ですね。学校を変えることができれば地域を変えることができますね。その意味では小泉改革には教育のことを良く分かった助言者がいないようですね。

   新しい寸劇も委員のみなさんが練習を重ねています。企画したことは実行に移せましたが、その中から人々の何が変わったのか?人間の意識に付いての答はいつも霧の中ですね。教育界は「心の教育」を叫びますが、心が変わったかどうかは確かめようがありません。地道にプログラムを実行して行くしか方法がありません。これも男女共同参画の意識改革と同じでしょう。今年の実践も佐賀の先輩のみなさんにお見せしたいものです。

鳥取県鳥取市  北村秀徳様

   いつぞやは三日間もおつき合い頂き有難うございました。学校の御出身にもかかわらず行政のご勤務が長くなった理由を垣間見ました。精神のバランスと心身のエネルギーですよ。大学も含めて学校の人事を根本的に組み変えたいですね。合間合間に議論したことを素材に「学校マニフェスト」の時代に付いての小論を 書きました。知事さんも新しい発想の方のようですから、文部科学省とは別個に鳥取型教育マニフェストの時代を切り開いてみてはいかがでしょうか?三朝町の安本紀子さんからは男女共同参画に付いての手厳しいご意見がメールで届きました。北条町からは関係者の感想・評価を含めた丁重なお手書きを頂きました。旧知の方々とも懐かしい対面を果たし、秋晴れの三日間は実り豊かな旅でした。

北海道上富良野町 山川 護様

   インターネットの威力に今更ながら驚いています。「風の便り」のオンライン化はアメリカでやっています。それゆえ、お便りはアメリカから転送されてきました。文明の可能性が想像を越えています。われわれの世代は「そろばんと七輪」で育ちました。「生きる力」の指導は「貧乏という名の先生」に受けました。文明も、生活も貧しかったが故に多くのことを学んだのです。そのころの能力から想像して現代の文明の豊かさは驚くほどのものになりました。にもかかわらず人間の自然性だけは基本的に変わってはいませんね。そこだけは「そろばんと七輪」の時代以前とも変わらないのです。子育てには「三分の飢えと三分の寒さが肝要」(貝原益軒)と言います。文明の現状に照らして教育は何たる落差があることでしょう。教育行政が作り出した中途半端な「少年不自然の家」は本来の「自然の家」に徹するべきですね。いずれは子どもを文明から一定期間隔離して教育を与える日が来ると思います。文明の到達点が高い分だけ、人間の自然性も徹底して鍛えないと、どこかで両者の落差が生活を崩壊させてしまうような気がしています。

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