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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第107号)

発行日:平成20年11月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 教育公害の足音

2. なぜ家事はそんなに辛いのか

3. 豊津寺子屋の男女共同参画

4. 「一筆啓上家族への便り」

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

お知らせ  
1  第87回生涯学習移動フォーラムin SAGA
 (1)日程:12/13(土)-14(日) 
 (2)場所:佐賀市勧興公民館「まちの駅」(佐賀市成章町3-18 0952-23-6303)→(移動)→佐賀市富士生涯学習センター(佐賀市富士町古湯2624 0952-58-2882)
 (3)参加費:5 0 0 円 (2日間通しでも、1日でも同額です)
 ◇ 12月13日(土)第1部
10:00 「勧興まちの駅」自由参観
11:15 生涯学習サミット「生涯学習・社会教育の未来を探る」
議長:古市勝也(九州共立大学教授)
登壇者:田部井洋文(佐賀市教育長)、大草秀幸(佐賀県立生涯学習センター館長)、吉木靖範(佐賀県公民館連合会会長)
移動:フォレスタふじ(佐賀市立生涯学習センター)へ
 ◇ 第2部
14:15総括コメント「勧興まちの駅」の先駆性と今後の課題  森本精造(福岡県飯恷s教育長)
14:45 シンポジューム「学校・家庭・地域の連携を考える」
コーディネーター:大島まな(九州女子短大准教授)
登壇者:永渕 薫(佐賀市立嘉瀬公民館主事)、宮崎幸太郎(佐賀市PTA連合会副会長)、赤田博夫(下関市神田小学校)
16:15 講話「映画とまちおこし(仮)」 西村雄一郎(映画評論家)
18:30 情報交換・交流会   古湯温泉

◇ 12月14日(日)第3部
9:30 インタビュー・ダイアローグ「教育はどこへ行くのか」
進行:三浦清一郎(「風の便り」編集長)
登壇者:横尾俊彦(多久市長)、古賀桃子(ふくおかNPOセンター理事長)、橋詰 空(佐賀市青年会議所理事長)、秋山千潮(佐賀市立勧興公民館館長)
11:10 総括-「佐賀フォーラムは何のために何を論じたのか?」 三浦清一郎

申し込み/問い合せ
佐賀県立生涯学習センター 「生涯学習フォーラム係」、0952-26-0011 E-mail:avance@manabisaga.jp
〒840-0815佐賀市天神3丁目2-11

2  第88回生涯学習フォーラムin岡山(案)
◆趣 旨:学校・家庭・地域社会の連携・協力を推進し、社会全体で教育力の向上に取り組むための方策を考える。
◆期 日:平成21年1月25日(日)〜26日(月)
◆会 場:1月25日(日) 岡山県生涯学習センター 大研修室
     1月26日(月) 岡山市立岡輝中学校、岡山市立清輝小学校、岡山市立岡南小学校

3 第4回人づくり・地域づくりフォーラムin山口
 日時:平成21年2月14-15日(土-日)
 場所:山口市秋穂 セミナーパーク

4 第89回生涯学習フォーラムin宗像:
 日程: 平成21年3月14日(土)
 場所: 宗像ユリックス
 内容: 「むなかた市民学習ネットワーク」事業発表会見学と論文発表
 


■■■■■ 編集後記: 証言と証拠 ■■■■■

 過日、山口市で、地域婦人会連合会の全国大会が行われました。筆者も分科会の一つを担当させていただき、たくさんのみなさんにお目にかかる機会を得ました。個別の興味・関心を追求する「機能集団」または「目的集団」に分業化した現代社会にあって、総合的な地域集団を目指す婦人会はどの地域でも苦戦していることが強く感じられました。
 筆者が政治家であれば、現代婦人会の特性を逆手に取って、過疎対策の課題の多くを「婦人会」と委託契約して解決したいと考えていました。地域全体に目配りのできる集団は、もはや、地域婦人会しか残されていないというのが議論をお聞きした感想だからです。図書館も公民館も地域に「丸投げ」している生涯学習の現状を思えば、「条件を銘記した婦人会への委託」は価値のある実験ではなかろうかと思いました。閉会式では、総合集団の名に恥じず、食品の安全、食料自給、温暖化防止、青少年教育、地域医療、非核3原則の堅持、男女共同参画などなど10項目の大会宣言が採択されました。最後まで山口市民会館大ホールは満杯でした。大会がまさに「閉会」を宣言する直前、沖縄婦人会の大城節子会長が発言を求めて会場の参会者にお礼の言葉を述べた光景に深い感銘を受けました。
 大会決議案の第9項に「次世代への戦争経験の伝承を積極的に進めるには、正しい過去と歴史認識こそが、未来への道標になります。悲惨な沖縄戦における真実がゆがめられることのないよう、関係機関に要請していきます。」という一文が載っていました。9項の挿入には、「沖縄県婦連」の懸命の働きかけがあったということが大城会長さんのお礼の言葉ににじみ出ていました。周知の通り、問題の核心は、多くの沖縄県民の戦時中の犠牲の影に旧日本軍の関与があったか、否かということです。「命令書」その他の法律上の証拠資料の存在は確認できないというのが、教科書検定をした側の主張です。それに対して沖縄婦人会の立場は、事実として、旧日本軍の命令や指事や示唆に従った結果、死ななくてもいい多くの沖縄人が犠牲者になったという生き残った人々の体験と証言があります、という意見でした。証拠と証言が対立したのです。
お礼の言葉から察するに、この問題は前の年からの継続の課題でした。大城会長さんは「会員の皆様の強いお気持ちに支えられて今年も沖縄の平和への願いを宣言文にいれていただきました。沖縄の各地から駆けつけた婦人会のメンバーは、はるばる来ただけの甲斐があったと感じていることだと思います。沖縄の証言が日本の歴史に意義ある足跡を残せるか、否かに沖縄「地婦連」の存続を賭けております。」という趣旨のことをおっしゃいました。会場は万雷の拍手で大城発言に共感を示しました。この光景に立ち会えただけで閉会式まで残ってよかったと思いました。
 たとえ、法律論議の上で間違っていなかったとしても、何万人もの生き証人の証言を無視して、法的な「証拠論」だけで、戦争の悲惨を論じ、平和の尊さを論じることは出来ないと感じた一瞬でした。「証拠」の論理はみんなが知っていることでしょう。しかし、平和を希求する感性は女性の方が上だと感じた一瞬でした。


『編集事務局連絡先』  
(代表) 三浦清一郎 E-mail:  kazenotayori (@) anotherway.jp

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