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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第107号)

発行日:平成20年11月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 教育公害の足音

2. なぜ家事はそんなに辛いのか

3. 豊津寺子屋の男女共同参画

4. 「一筆啓上家族への便り」

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

「一筆啓上家族への便り」―「親子の約束」第2弾-

 11月22日(土)福岡県桂川町立桂川東小学校の創立50周年の記念式典で全校児童が演じた朗唱組曲「ふるさと桂東50年」は来賓、保護者から最大限のお褒めの言葉をいただいて無事終了しました。評価票にかかれた賛辞と感想はこれまで見たことのないほど、子どもの可能性に対するたくさんの心情が吐露されていました。練習の経過を垣間みて来た筆者としては、指導が報われた先生方のために大いに喜んでいるところです。
 練習のプロセスではご家庭に朗唱の正確さの点検をしていただいたり、当日のおもてなし、ご挨拶の予行演習もお手伝いいただきました。総称して「学校発、親子の約束」運動と名付けました。次の企画が「一筆啓上家族への便り」です。
記念式典にたくさんの保護者が駆けつけて下さったのは朗唱の点検や行儀作法の家庭指導を通して家族が子ども達の「出し物」に既に主体的に関わっていたからだと想像しています。多くの参会者が証言している通り、通常のPTAの会合で聞かれる無作法な私語は全く聞かれませんでした。自分が関わった式典は大切にするということではなかったでしょうか!?今度は子どもがお礼を書く番です。

1  「家族への便り」の目的

(1) 目的の第1は、子どもに正式に家族とのコミュニケーションの「型」を教えることです。演技に寄せられたたくさんの賛辞が「便り」の手がかりになります。先生方がお客さまの賛辞を教室で読み上げて下されば、子どもの励みになり、達成感の2重の保証になることも狙っています。
(2) 第2は、先生方と子どもの意志確認です。子どもも先生も、記念式典の締め切りに追われて厳しい練習に耐えました。目標は見事に達成されました。子どもに練習の意味を教え、教師も指導の意味を確信することが出来るだろうと期待しています。
(3) 最大の課題は「ふるさと桂東50年」を契機として、学校と家庭の協力関係をより強固なものにすることです。「一筆啓上家族への便り」は学校が仲介する親と子と学校のコミュニケーションです。3学期に繋いで本格的な「学校と家庭の連携」の基礎を作るものです。

2  想定される「テーマ」と方法

(1) 「家族への感謝」の言葉

 練習を手伝ってくれてありがとう」、「発表会を見に来てくれてありがとう」、「何時も応援してくれてありがとう」など「感謝の対象」を発見し、意識に登らせ、家族の思いや日常の世話や励ましや協力に応える感謝の言葉をできるだけ「長文」の便りにしたためる。

(2) 発表会を手がかりとして自分の日常への評価と意見を求める

「発表会はどうでしたか?」、「みんなで協力したお出迎えやお茶の出し方、あいさつなどは上手にできたでしょうか?」、「声は後ろまで聞こえたでしょうか?」、「姿勢が崩れたり、おしゃべりが聞こえたりしたでしょうか?」などと問いかけて行くのです

(3) 書き方表現の「型」を会得する機会とする

(4) 日ごろの活動を文章表現で報告する練習の機会とする

(5) 家族への感謝を言葉にして意識させる

(6) 保護者から子どもへの返事を要請し、学校の指導プロセスにすこしずつ家庭の協力を組み込んでいって、3学期の「親子の約束」運動につなげて行く。
 


   

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