難しくて挫折気味だったギターヒーローもちょっとずつやっていたら少し上達の兆しが見えてきた。プリングオフや中指と小指のコード押さえがもともと弱かったのだが、ハードレベルからそういう曲が増えてきたので行き詰まっていた。それでも粘って繰り返しやっていたら指が動くようになってきた。まだ完璧ではないけれども何とか完奏までたどり着くことができるようになってきた。
中級レベルの学習支援が導入に比べてよくデザインされてないとは前のエントリーで書いたけど、それでも徐々に難易度をあげるバランス調整は非常によく考えられている。前の曲で習得したことが次の曲で役に立つようになっている。途中でやや楽めな曲が入ってモチベーション維持にもつながっている。何よりも、苦手部分を短時間に反復練習できる独習教材としての完成度はとても高い。
ゲームは簡単にクリアしてもらっては困るという発想が前提にあるため、ゲームを楽しむのに必要なこと以上の学習支援的な機能は、おそらくゲームデザインの発想からは出てこない。苦手なところだけ切り出して練習できる機能のようなものは、なるべく長く遊んでもらうことが重要な世界観では余計なことでしかない。シリアスゲームのデザイン発想では、そこをもう一歩踏み込んで、長く遊んでもらうことよりも技術習得や学習を優先して考えてデザインすることになる。早く上級レベルに達するようになる分は、そのレベルで楽しめるテーマを提供する方向で陳腐化を防ぐことになるだろう。それはまだ誰もやってない領域なので、まだ理論的な方向性でしかない。
教育分野で作られるものがまるで実用レベルに耐えないものしか出てこない中で、ゲームの世界では具体的な形になり、普及品として提供されている。そうした技術として完成しているものを、少しデザインの発想を変えるだけで教育的効果の高い製品ができるのは間違いない。そうすることで、教育分野だけでこのままがんばっているよりも教育技術の進展は格段に早まる。これもシリアスゲームの重要な意義の一つである。