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風の便り
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生涯学習通信
「風の便り」(第98号)
発行日:平成20年2月
発行者:「風の便り」編集委員会
1. 「母」と「母性」は同じではない
2. Speech & Communication
3. 厳然たる生涯学習格差
4. 「民の時代」−「志縁の時代」
5. MESSAGE TO AND FROM
6. お知らせ&編集後記
厳然たる生涯学習格差 生涯学習が個人の選択を原理とする限り、生涯学習を選んだ人」と「選ばなかった人」の間に生涯学習格差が発生するのは当然です。格差は、情報格差、交流の格差、健康格差、自尊感情の格差、生き甲斐格差などに及ぶことでしょう。人生が個人の選択にまかされている以上、生涯学習も個人の選択に任せなければなりませんが、生涯学習は「タバコ」と反対の評価を受けることになると予想します。「タバコ」は身体に良くないことがほぼ証明されました。しかし、喫煙はとまりません。健康保険が極限まで財政破綻に瀕した時、社会は「タバコ」をどのように遇するのでしょうか? 一方、生涯学習も生涯スポーツも心身の活力にプラスであることはほぼ明らかです。しかし、多くのプログラムはパチンコ屋さんには勝てません。ここでも高齢社会の財政や「認知症」や「介護」が極端まで逼迫したとき、「自由選択」から「必修選択」に移行して行くのでしょうか? しかし、生涯学習の場合は、仮に「必修選択」の時代が来たとしても、問題は地域間格差です。行政でも民間でも事実上、質と量において豊富な選択肢やメニューを提供できるのは人・もの・金が集積している都会です。 インタビュー・ダイアローグの会場で、団塊世代の社会参加を巡って、高齢者が自分で納得した活動を選べるように豊富なメニューを提供する必要があるという提案がありました。東京ではひとつの区だけでも、何百という選択肢があると言うのです。東京の参加者は過疎の実態を知らないのでしょう。地方の生涯学習推進行政に大都市と同じような選択肢を望むことは所詮不可能です。行政の力も、「民」の力も、大都市と地方を比較することが無謀なのです。自然資源や環境で比較すれば地方が優れているところも多々ありますが、かつて、掛川市の榛村市長さんが喝破したとおり、緑豊かで、水清きところは貧しくてかつ不便なのです。そうした地域から都会への人口の流出は止まらないのです。地域間の生涯学習格差はいわば生活に「快適さ」をもたらす「メニュー格差」として発生するのです。(第3回山口大会感想)
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