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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第80号)

発行日:平成18年8月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 幼少年教育の失敗−「教育公害」

2. 幼少年教育の失敗−「教育公害」(続き)

3. A小学校始動

4. 第69回フォーラムレポート

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

第69回フォーラムレポート


  前回は小学校の低学年をご担当の先生方をお招きして「小1プロブレン」の実態をお聞きした。今回、第69回フォーラムは就学前教育に関わる現役の4人の先生方をお招きして「インタビュー・ダイアローグ」の形式で、幼児保育・幼児教育の方針と指導法をお聞きした。ご登壇いただいたのはいずれも福岡県の幼稚園または保育所をご担当の方々である。発言順にご紹介すると、春日市こども未来課保育所担当井手肖美(ゆきみ)さん、篠栗町あすなろ保育園園長、仲野淳子さん、飯塚市あすか保育園園長、山辺浩之さん、篠栗町勢門幼稚園主任、原田幸子さんである。
コーディネーターは三浦が担当した。
  「小1プロブレン」の「芽」はそれぞれにあるが、現場を直接担当していない春日市の井手さんを除けば担当者はその解決に一定の自信をもっている。では「小1プロブレン」はどこから発生しているのか?
  結論的に各登壇者の姿勢は以下の通りであった。
  春日市では11の保育所に行政上の方針はあっても、日常の具体的指導場面を統括する基本指針はない。当然、「小1プロブレン」の「芽」は存在している。
  あすなろ保育所は学童保育も兼ねているので、子どもに対する「大家族対応」を心掛けている。キーワードは「子どもによる子ども自身の肯定」と「信頼」である。子どもと保育者との信頼、保育所と保護者との信頼があれば、子どもは真っ当に育ち、親も変わり得る、と自信をお持ちである。飯塚市の山辺園長は原因は過程の「コミュニケーション不足」にあるとお考えである。保育所はそれを補う。様々な理由の「問題児」は存在するが保護者が自分の子どもの問題を認めない場合には早期の対応が難しい。それでも集団的に対応する中で一定の解決は可能である。子どもが関わるプログラムの指導は厳しくしている。発表や表現を見る限り、子どもは十分対応している。就学後の小学校教育の方に問題はないのか?(参加者からも就学前施設での立派な集団行動の「型」が小学校に来て崩れていると指摘があった。小学校教員の経験者は異口同音に教師の指導力に問題があるという認識であった。)
  指導上の焦点が明確なのは篠栗町の勢門幼稚園である。かつて就学前の子どもが集団生活に適応できない問題は確かに存在した。それゆえ、小学校の要請を受けて指導方針の重点を「個」から「集団」に移行したという。結果的に、体力、基本的生活習慣、話を聞く態度などが確立したと報告があった。以後、小学校からの注文はない。4人の登壇者はそれぞれに優れた保育所、幼稚園から推薦いただいたものと想像できる。お聞きした範囲では就学前教育にさほどの問題はないかのようである。しかし、現実はわれわれの日常の観察結果とは異なるであろう。小学校教育に問題がある事は間違いないであろうが、果たしてそれだけか?筆者の疑問は解決していない。巻頭論文「幼少年教育の崩壊と教育公害の発生」は疑問の分析結果を整理したものである。
 

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