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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第98号)

発行日:平成20年2月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「母」と「母性」は同じではない

2. Speech & Communication

3. 厳然たる生涯学習格差

4. 「民の時代」−「志縁の時代」

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

「民の時代」−「志縁の時代」

 資本主義的生活感が我々に浸透して、物質と効率が優先されるようなった分だけ、「心」は失われ、「志」は重視されなくなったということなのでしょう。しかし、人間から「心」と「志」を取り上げたら、多くの場合、人間が人間から遠くなるので、資本主義のまっただ中で、それらを取戻したいという声が上がって来るのもまた自然なのだと思います。
現代の「同志」は志の縁によってつながります。山口大会を陰で支えたのはオレンジ色のスタッフジャンパーをまとった方々の熱意であったと思います。彼らの熱意の源は、大会の意義と自分たちの活動の意義を重ねたいという志があるからです。そのスタッフに「なぜ私たちはここにいるの!?」と言わせるようでは大会の運営は失敗なのです。大会の運営を盛り上げたのも、人々の出会いを意義あるものに演出したのも、彼らの熱意と志だったからです。オレンジ色のスタッフジャンパーの同志がいなければ大会は崩壊すると「資金」を出している方々は理解すべきです。
 ボランティアを企画に参加させずに下働きに使うだけでは志は続きません。新しい志もまた生まれないでしょう。来年こそ彼らの「志縁」のネットワークを生かして、彼らをこそ大会企画の主役にしなければならないのだと思っています。
 大会企画を分野横断的に見渡せば、今や、生涯学習は「民」の時代に入ったのです。何よりの証拠は、事例発表のプログラムも、特別企画の登壇者も、圧倒的に民がリードした大会でした。具体的には、NPOやそれに準じた民間の団体が、発想でも、実践でも日本の生涯学習をリードしているのです。ここにもまた、既存の「枠」、既存の発想に囚われない「志」が生きているのです。山口県学校・保健体育課の青木さんが「なぜNPOなのですか?」と各会場で質問していました。発表者の答えはまちまちでしたが、筆者の考えはNPOの傘下に「新しい日本人が生まれた」ということです。古い日本人は「血縁」と「地縁」と「結社の縁」で動きましたが、新しい日本人は「志の縁」で動くのです。NPOの登場は、人々が「志縁で動く時代」がきた、ということです。NPOは「発想やエネルギーの似通った人々を結集する枠組み」なのです。あるいは、「志縁の人間関係を組織化する制度」なのです。さらに言えば、新しい時代の「制度化された『この指とまれ』方式」なのです。沖縄の田端温代さんは、公民館の管理を受託し、事業委託の中身に入っていようといまいと、ご自分の勘と思いだけで子どもも年寄りも公民館も児童館も学校も老人センターも繋いでしまいます。行政からは、活動報告書には書かなくていいかのように言われたそうです。
  行政はすでに制度疲労が極度に進んで、民の発想や分野横断型の実践が分かってはいないのです。分かっていない行政に「民」の応援は無理でしょうが、せめて「民」の発想と実践を邪魔するな!!!といいたいですね。   (第3回山口大会感想)


   

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