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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第86号)

発行日:平成19年2月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「男女共同参画」−男の履修義務−

2. 「風」の教育機能−集団の治癒機能

3. 第75回移動フォーラム:子どもフォーラムin綺羅星7

4. 第2回「ひとづくり・地域づくりフォーラムin山口」

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

● お知らせ:第76回生涯学習フォーラム ●

  次回はこれまでの「フォーラム」の持ち方に"訣別"する記念研究会を想定しています。現在のフォーラムが始った時と同じように島根県の出雲市から浜田満明校長先生が駆けつけて、発表もしてくださることになりました。報告は学校主催の「『通学合宿』の原理と方法」です。また,別記報告に総括した山口県「第2回ひとづくり・地域づくりフォーラムin山口」の熱気を引っさげて,山口県生涯学習センターの赤田博夫主査が大会を支えた人々の協力と連帯の背景の原理を報告して下さることになりました。

1. 実践研究発表1 浜田満明 (島根県出雲市立東小学校校長)
「集団・共同の意義を体感し,体験の欠損を補完する学校主催の『通学合宿』の理念と方法」(仮)
2. 実践研究発表2 赤田博夫 (山口県生涯学習センター主査)、大島まな(九州女子短期大学助教授)「実践のための学習を前提とした宿泊型継続研修における人間関係の形成過程と実践力の意義」(仮)
3. 論文発表 三浦清一郎  「地域が作る学校と学校が貢献するまちづくり」(仮)
4. 提案と相談 「これからのフォーラム」
5. 懇親夕食会 ふるってご参加ください。(場所・方法は未定です。)


●●● 編集後記: 忠実な筋肉、正直な食欲−感覚体への絶えざる「負荷」− ●●●

  「読み書き体操ボランティア」は筆者が主張する熟年の心身を健康に保つ処方である。中でも肉体の衰えは目に見えて進行するので体操は重要である。年を取れば身体が固くなる。咄嗟の反応も遅くなる。わずか数時間、ほんの一日、身体を動かさない読書や執筆に没頭すると、次の動作に移ろうとして立とうとした時に、筋肉も関節もこわばって、ほぐれるまでに時間を要する。熟年の日々には絶えざる柔軟体操が不可欠なのである。
  ある日通っているプールに見るからに男っぷりの良いスポーツマンタイプの若者が来た。彼はひたすらプールを歩いた。水中でフットボールでも蹴っているつもりか、腕を振り、腰をひねって左右の足を交互に高く斜めに蹴りあげる。運動量が大きく、その格好が様になっているので多くの人々の注目を浴びた。バランスを取り、ウエストを引き締めるには良い運動であろう。ご多聞に漏れず腹が出て、メタボリックシンドロームを気にしている筆者も感心して眺めたひとりである。
  翌日から、彼を真似て「水中サッカーボール蹴り」を始めてみたが、「見る」と「やる」とでは大違いである。練習の後は更に悲惨であった。背中から腰にかけて筋肉ががちがちに張ってしまって立ち居振る舞いから歩行にまで支障が出た。老骨も、老筋肉も斯くのごとし、である。しかし、ここからが熟年の処方である。熟年は「無理をして、頑張り過ぎてはいけない」が、同時に「がんばり続けること」は極めて重要である。無理にならない程度に頑張り続けることは、「養生」の基本であり,修練のさじ加減である。要は日常に手抜きをせず,心身に「負荷」をかけ続けるということである。筆者も腰の張りにめげずに水中の想像上のボールを蹴り続けてみた。数週間が過ぎた今、ようやくバランスを崩さず、ボールを蹴った足が高く上がるようになった。腰の張りも楽になった。筋肉や関節が運動刺戟に忠実に適応したのである。肉体は誠に正直である。おそらくは内臓機能なども同様の法則の下にあるのであろう。運動の後はこよなく飯がうまい。食欲は正直であり、間違いなく「空腹の関数」である。空腹こそが「最高の調味料」であることは疑いない。
  「豊津寺子屋」の子どもたちはおやつのような「間食」をせず、日々全身運動の遊びやスポーツを続けるので家庭での食欲が旺盛であり、先日のアンケート調査には夏休みには3回に亘って弁当箱を大きくしたと報告してくださった保護者もいた。普段は子どもが好き嫌いを言って食べない食材も弁当の中に入れておくと、夏休み寺子屋のプログラムの中ではぺろっと食べてしまうという感想もあった。
  「寺子屋」の「運動あそび」は大袈裟な「食育」のキャンペーンをどこかで笑っているのである。筋肉は肉体運動の刺戟に忠実に反応し、自らを鍛え上げる。食欲もまた子どもの遊びや運動の結果の「空腹」に正直に反応する。金のかかる栄養士の配置などは無用である。子どものわがままや勝手を禁じ、子どもの日常に沢山の身体的遊びを導入すれば、大抵のものはうまい筈である。子どもも熟年も「生きる力」の基本中の基本は体力である。
  ここまで書いた時、出版社から次の著作の第一次の校正が届いた。現金なもので猛烈に闘志が湧いてきて、"次の勉強も始めるぞ"、と気合いが入った。精神もまた一定の社会的刺戟に忠実なのであろう。何ごとにもうつむきがちな向老期に「負荷」が必要であるという原理は変わらないのである。


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(代表) 三浦清一郎 E-mail:  kazenotayori (@) anotherway.jp

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