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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第82号)

発行日:平成18年10月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. Active Senior −熟年の危機と生涯学習の処方箋−

2. 学社「連携」の「片務性」、学社「融合」の空論

3. 保護者は何を見たか? 夏学期「豊津寺子屋」保護者調査の集計と分析

4. 第71回フォーラムレポート

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

★MESSAGE TO AND FROM★

  お便りありがとうございました。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

★福岡県築上町 雨宮一正 様

  この度のハンガリー動乱50周年の記念彫刻の制作誠にお見事で拍手喝采、お喜び申し上げます。中嶋敦の李陵のように、見ている人は見ている。見ている人がいなくなっても天は見ている、を思い出しました。先生の生きて来られた道程が歴史になった瞬間を感じました。己に対して「まだ捨てたものではない」と言い続けることが生涯現役の誉れであることを遠く学ばせて頂きました。
  こちらもご近所の稲刈りがすべて終りました。季節は急ぎ足になって一気に晩秋へ向かうのでしょう。寒田の谷は日の入りが早くなったことでしょう。地名から想像しても冬の寒田は淋しさが身に滲みるように遠いですね。みんなで誘いあって「なべ料理」の準備をして伺いたいと思っております。

★東京都 福原洋子 様

  お便りありがとうございました。なれない土地での新しい仕事ごくろうさまです。若い頃は雑踏の中に埋もれること、見知らぬ他人の中でnobodyになることが好きでしたが、あなたはいかがでしょうか?生まれたばかりの子犬を膝に抱いて執筆する日々が続いています。すべてに幼く、保護者のわれわれに依存している無力な生き物を見ていると、理不尽な児童虐待や、いじめのニュースに怒りを感じざるを得ません。虐待もいじめも人間の常ですが、それらの不幸を見過ごしにすることは、学校や行政が使命感を失い、怠惰に陥った「不作為」の結果なのでしょう。何の因果か、偶然にも、そのような状況のそのような場所に居なければならなかった子どもの不幸な運命を感じざるを得ません。学校も行政も子ども観を間違っており、いじめや虐待を抑止する「心理的風土」の形成に失敗しています。いじめたら「ただではおかない」という厳しい指導の空気が存在すれば、それだけで虐待もいじめも半減するのですが、見てみぬ振りの怠惰と無責任がこの国に蔓延したということでしょう。処方の基本は「半人前」の「未熟さ」を放置し、子どもの「主体性」を「教育の絶対善」とする「児童中心主義」思想の抜本的革新ですね。死なねばならなかった子どもの無念を他所に、「いろいろ裏の事情があるのですよ」などというコメントを聞くと、「ひとの痛いのなら3年でも辛抱できる」人間の業を思わざるを得ません。2月の山口大会のチラシを別送します。


 

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