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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第44号)

発行日:平成15年8月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「受動と擬似」環境からの解放 −少年の「日常」とは何か?−

2. ようやく、学校開放! 繰り返すか?独善と蒙昧

3. 「非常」の顔

4. 第37回生涯学習フォーラム報告 「サマープログラム」

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

MESSAGE TO AND FROM

   お便りありがとうございました。いつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

読者各位

   9月はひさびさに海外へ出ます。前回最後の旅は英国とカナダで大学が巻き込まれた詐欺事件の裁判対応をしました。日本の友人達に優るとも劣らぬ誠意と熱意を持って尽力してくれた英国の友人を思い出しています。友情に国境はないですね。今回はアメリカの大学と家族を訪ねます。彼の地の生涯学習も変わったことでしょう。新しい出会いにも期待しています。米国の若い日本研究者に、日本で教えながら、日本で研究の舞台を広げる”Teach  and  Learn"プログラムの紹介もしたいものです。

   9月号「風の便り」45号はこれまで書きためた小さな文章を集めて編集するため、まとまりのないものになるかも知れません。お許し下さい。

長崎県長崎市 松尾恵子様

   懐かしいお便りに接し遠い日々を思い出します。学生達が「定年坂」と呼び慣わした長い坂を下ってあなたが帰って行った夏の日がありました。台風が来た日で中庭の噴水が斜めに吹き上げていたことを一遍の詩に書いたことがありました。優秀な学生が、優秀な教員となり、やがて優秀な指導者になって行くのを見るのは教師冥利というものです。当方、歳を取り、日に日に心身の機能が衰えることを自覚せざるを得ませんが、己を生涯学習の客体に見立てて、気合いを入れ、覚悟を決めて「生きる力」に挑戦しております。

福岡県宮田町 植田武志様

   講演を終わって出て来たら、御子息がロビーで待っていてくれました。「男子三年会わざれば、刮目してみよ」と言いますが、見るからにたのもしくなりました。大学横断的に活動している幅の広さと親元を離れて優れた仲間にもまれた「友だち効果」というものでしょう。「子宝の風土」の副作用に対する抑止力は昔の人が言うように「他人の飯」ということなのでしょう。小学校時代から繰り返して親元を離れ、他郷の学校で学ぶことを想定した、旧国土庁の「セカンドスクール」構想が日の目を見なかったのは返す返すもこの国にとって残念なことでした。過疎対策も、少年の自立も、体験プログラムの充実も一気に進んだろうと当時の優れた発想に敬服しています。だれか小泉さんに教えてあげる人はいないのでしょうか? 

沖縄県那覇市  大城節子様

   ご家族そろってお元気になられたとのこと何よりでした。12月の生涯学習フェスティバルでお目にかかれるかと楽しみです。私たちも「生きる力」が試される年齢になりました。お互い自分のためのスポーツと生涯学習をがんばりましょう。歳を取ると思いもかけぬことが起こるものです。今回は「日常」と「非日常」の問題にこだわってものを考えました。われわれ自身が遭遇する事故や病いや出会いや別れは、生涯学習の力量を試されるように思います。折しも始まった藤沢周平原作の「蝉しぐれ」の再放送を見ながら、あの本を愛読したころ、自分自身の波瀾に満ちた「日常」に見切りを付けて大学を辞めたことを思い出します。この身の挫折であったにもかかわらず、那覇では変わらぬ信頼と励ましをいただき生涯忘れることはないでしょう。

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