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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第75号)

発行日:平成18年3月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 拝啓 少子化担当国務大臣 猪口邦子 殿

2. A小学校への提案−「一石数鳥」、DOG YEARの生涯学習

3. 「情緒的貧困化」−熟年期の社交と交流の創造−

4. 第65回生涯学習フォーラムレポート

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

★MESSAGE TO AND FROM★

   お便りありがとうございました。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

胸騒ぎの春
あゆむあゆむもの思う春のゆくへかな(蕪村)

  「郷愁の詩人与謝蕪村」を書いた萩原朔太郎が最も愛した句の一つである。春は万物が目覚めて山野に彩りが戻りすべてが眩しく輝いているのにどこか胸の一点が重く不安がたゆとうのはなぜだろうか!?再び帰らない過去や予見不可能な未来に分けもなく思いを揺さぶられるのは何故だろうか?朝の散歩のカイザーの森には辛夷が咲き、れんぎょうが整列し、雪やなぎが風に揺れ、椿と桜が花当番を交替しようとしている。池の水も温み、木々は小鳥の声に溢れ、光は輝くばかりなのに、物憂い胸騒ぎを抱えてうつむいて歩いている自分に気付く。丘の頂きから見えた玄海の渚をたずねたがそこでも三好達治の歌を思い出し、思わず旅の終りを思った。

春の岬旅の終りのかもめどり浮きつつ遠くなりにけるかな(達治)

  合併を目前に控えた友人の穂波町の教育長から最後のメールが届いた。去就は政治の判断に任せてしばらくは晴耕雨読の暮らしを始めるとあった。荷物が運びだされてガラガラになった執務室の寂寥が想像できる。長い間ごくろうさまでしたと書き送るしか自分にはすべがない。同じく「豊津寺子屋」の前の担当者からは、忙殺された寺子屋の立ち上げ時期には一人の部下もなく、予算も事業計画すらもない合併後の今になって部下が配置されるとはなんということでしょうか、とメールが届いた。「寺子屋」の子どもの声から離れて、見えない未来と対峙している彼女の不安が想像できる。新しい事業計画はきっとこんなふうになると思うよ、とにわか拵えの事業展開試案を書いて送った。
  春は人それぞれに先の見えない新しい生活に踏み出す。胸騒ぎのもとはその辺りにあるのであろう。北九州の南さんから「自分らしく生きる」、「老いてこそ人生」のテーマで講演の依頼をいただいた。こちらが教えてもらいたいものだ!、と思ったことであった。それでも容赦なく時は過ぎて行く。「風の便り」の締切りも来る。締切りがなかったら我が人生のスケジュールは崩壊するだろう、とつくづく思う。
  気を取り直して新しい年度に立ち向かう。高知の山中さん、金沢の鯉野さん、天草の池田さん、那覇の大城さんお便りありがとうございました。佐賀の紫園さん、山口の赤田さん、新企画の成功を祈ります。お陰さまで気合いを入れ直して仕事にかかることができます。5月の25周年大会でお目にかかれるといいですね。


過分の郵送料、お心使いありがとうございました。
★ 熊本県上天草市 池田光利 様    ★ 島根県出雲市 立花陽子 様
★ 山口県下関市 田中隆子 様    ★ 福岡県久留米市 弥永親一 様
★ 石川県金沢市 鯉野利美江 様    ★ 沖縄県那覇市 大城節子 様
 

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