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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第103号)

発行日:平成20年7月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「学校を」支援するのか。「学校が」支援するのか?

2. 「学校を」支援するのか。「学校が」支援するのか?(続き)

3. 総論:「学校を」支援するのか。「学校が」支援するのか?

4. 祭りの仕掛け―人集めの原理 -第84回生涯学習フォーラムin行橋-

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

MESSAGE TO AND FROM

  お便りありがとうございました。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

山口県周南市 門司宏子 様

 「初めての炊事実践と食育」

 差しあげたお便りでは不十分と感じ,ふたたび追伸の筆をとりました。ご計画の子育て支援プログラムは、毎日、子どもが参加する食育の調理実習を含んでいる点で、私が知っているどのプログラムとも大きく異なっています。夏休みを通しての指導の手間と時間と気遣いはさぞや大変なものであろうと拝察いたします。ファーストフードとインスタント食品の昼食から子どもを解放するという思想をプログラム化すれば、「昼食づくり」の実習を導入せざるを得ないということですね。食事への配慮が欠如している家族への「支援と批判」を同時に含んだ両面作戦と了解いたしました。
 指導に際しては、ご面倒でも子どもが日常調理に熟達して食事づくりで自立できるまで訓練を徹底して下さい。子ども自身が昼食予算の立て方、家人への会計報告の準備などができるようになるまで経済感覚のご指導もご配慮頂ければ、残りの時間を公民館や図書館など他の社会教育のプログラムに「ヤドカリ」をしたとしても満点です。


東京都 近藤真紀 様

 「新しい公共」−「失われた公共」

 感想とお便りありがとうございました。新しい職務に対するあなたの興奮から自分の若かった日々の興奮が甦ります。「あらたな公共」の概念と格闘中とか。社研の調査研究がどのような文脈を想定しているのかわかりませんが、「公共」とは常に「他者との共同生活」を意味します。子どもに教えるべき規範もしつけも、目的の核心は「他者と気持ちよく過ごすため」です。確かに「他者との共同」の場面は時代状況の変遷とともに変わります。携帯電話のマナーや「ブログ」に象徴される情報環境は、いまだ検討されたことの少ない「公共」場面でしょう。省エネルギーの課題や自然保護など環境問題の視点も従来の「共同」に加えるべき「新しい公共」の条件と言ってもいいでしょう。男女共同参画や国際協調も、過去の「共同生活」では特別の注意を払われることのなかった「新しい公共」の課題ではないでしょうか?だとすれば、伝統やしきたりに起因する「古い共同倫理」を否定することが「新しい公共」の条件でもあるとも言えるのではないでしょうか?「しつけ」をきちんとして他者に迷惑をかけないように「教育」を徹底することは、「新しい公共」ではないとしても、「失われた公共」を取戻すことに通じているのではないでしょうか?こと、子どもに関する限り現代の教育界は「公共」の意味を忘れているとしか思えません。愚考まで。
 


 


 

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