DiGRA JAPAN年次大会にて発表:「ねこあつめ」のアフィニティスペース

もう前日になってしまいましたが、2月27日・28日に芝浦工業大学大宮キャンパスで開催される日本デジタルゲーム学会第7回年次大会の二日目午後のセッションで、「『ねこあつめ』のアフィニティスペース」と題した研究発表を行います。

ゲームのプレイヤーコミュニティの研究は何度かやりましたが、だいぶ久しぶりです。前のブログ記事を見返したら、A Tale in the Desertのプレイヤーコミュニティの調査をやったのが2005年頃ですからもう10年以上前ですね。

オンラインゲームと学習の接点

その時国際会議で発表した論文です。

Fujimoto, T. (2005). Social Interactions Experienced in the Massively Multiplayer Online Game Environment: Implications in the Design of Online Learning Courses. presented at the AECT annual conference. Orlando, FL.

この手のプレイヤーコミュニティの研究は、なかなか研究成果としてまとめるのが難しいのですが、「ねこあつめ」のプレイヤーコミュニティの面白さに引き寄せられるように一歩踏み出していました。当初想定していた以上にコミュニティが奥深いものがあり、資料も膨大でまだ途中経過の報告ですが、引き続き取り組んで良い成果を出したいと思います。

東北大グループの「長時間のゲームプレイの子どもへの影響」論文へのコメント

東北大学の竹内光准教授・川島隆太教授らの研究グループの、小児における長時間のビデオゲームプレイ習慣が言語知能の低下など悪影響を及ぼすことを発見した、という「Molecular Psychiatry」に掲載された下記の論文が話題になっています。この手の研究が出るたびに、ゲーム業界団体は何か適切なアクションを起こした方が良いのではと思いますが、このまま放置しておくとゲームの悪いイメージだけが無用に広がりそうなので、少しコメントしたいと思います(私は脳科学や発達心理の専門ではないので、その点ご留意ください)。

Impact of videogame play on the brain’s microstructural properties: cross-sectional and longitudinal analyses(Molecular Psychiatryに掲載された当該論文)
http://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/mp2015193a.html

長時間のビデオゲームが小児の広汎な脳領域の発達や言語性知能に及ぼす悪影響を発見~発達期の小児の長時間のビデオゲームプレイには一層のケアを喚起~(東北大学プレスリリース:2015年1月5日)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20160105_01web.pdf

1.まず、この研究の一般に向けた示唆としては、ゲームに限らず「何ごとも子どもに過度に与え過ぎるのはよくない」という一般論で理解されていることを科学的に実証しているだけですので、この結果が出たからといって現状以上にゲームを問題視する必要はないと思います。

ゲームも子どもの娯楽や趣味の一つであり、よく付き合えばゲームから得られる効果も大きいことはこれまでの多くの研究で示されています(この論文でも、ゲームの効用についての先行研究を認めた上で議論しています)。避けるべきなのは、この研究の報道を見た親や教師たちが必要以上に警戒して(または都合の良いように解釈して)、適度な時間で楽しんでいる子どもからゲームを取り上げて禁止するような家庭や学校が出ることです。子どもにも個人差があり、はまり易い子どもとそうでない子どもがいるので、はまり易く長時間遊んでしまいがちな子どもに対して、この結果をもとにプレイ時間のルールを決めたり、少し生活習慣への配慮をするくらいでよいと思います。

2.論文中でも制約事項として言及されていますが、この研究の「ビデオゲームのプレイ時間」というのは、質問紙調査で平日のプレイ時間数がどれくらいかを確認したもので、被験者の子どもたちがどんなゲームをどのようにプレイしたのかまでは明らかになっていません。また、長時間ゲームで遊ぶ子どもに共通する家庭環境や生活習慣などの他の主要因の影響が、この研究で調べた「ビデオゲームのプレイ時間」の影響として現れている可能性は、この研究では否定できません。

この研究で扱っているのは、言語性知能への影響なので、同じゲームを長い間プレイすることで、会話の量や言語情報の多様性が低下した結果というのは想像できます。実際、同じ研究グループで、2年前にテレビの長時間視聴について下記のように同様の研究結果を発表しています。テレビ視聴やゲームプレイそのものより、家族や周囲が子どもを放置していることで、会話や言語的なインタラクションが少ない時間が長くなっていることの影響の方が大きいように思います。

長時間テレビ視聴が小児の高次認知脳領域の発達性変化や言語性知能に悪影響を与えることを発見~発達期の小児の長時間のTV視聴には一層のケアを喚起~(東北大学プレスリリース:2013年11月18日)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20131118_02web.pdf

3.この論文は、脳科学の研究者が適切な手続きで行い、経時変化も測定した実験結果であり、以前物議を醸した「ゲーム脳の恐怖」の恣意的なゲーム悪影響論よりはずっとまともなので、そこは一緒くたにして否定してしまうのは少々気の毒です。

ただ、「ドーパミン作動系領域の拡散性の増大は、メタアンフェタミンの長期ユーザーでも見られる特徴で、ビデオゲーム長時間プレイ者での相同の神経改変を疑わせました」というところは、他の活動との比較などで細かい度合いまで確認できたわけではないのに覚せい剤中毒患者を引き合いに出すのは言い過ぎではないかという気はします(ゲーム脳本がアルツハイマーを引き合いに出して恐怖心を煽ったのと同じ臭いがします)。

4.最後に、これはこの論文よりもそれを報道する側に対してですが、この論文はあくまで「長時間のゲームプレイ」の影響についての研究結果であって、これをもって周囲が勝手な解釈をして、安易にゲーム全般を否定するような捉え方をすべきでないことです。

この点は、一部専門ゲームメディアで「ゲームは子どもに悪影響」という記述をしている記事がありますが、これはこの論文そのものよりもゲーム産業にとって害のある報道で、このような取り上げ方は慎むべきです。他の一般ニュースメディアは概ねプレスリリースに沿って適切に記述しているにもかかわらず、ゲーム専門メディア側がこのようなゲームそのものを否定的にとられるような表現で報道するのは配慮がなさすぎるし、意図的にゲームファンの反発を集めて物議をかもそうとしているのであれば、ゲームジャーナリズム全体を貶めることにもつながるのですぐに訂正した方が良いと思います。

むしろ問題視すべきは、このような研究結果をもとに、ゲーム全般を違法薬物やギャンブルなどと同列に扱って社会的スティグマを押し付けようとする動きや、教育行政や保護者団体などがこの結果を拡大解釈してゲーム排斥に走る動きなど、以前のゲーム脳騒動のような風評被害につながることであり、そのような動きこそ警戒が必要と思います。

以上、ざっと論文を参照して気が付いた点をコメントしました。まだ見落としている論点があるかもしれませんが、いったんここまでとして自分の研究に戻ります。

2015年のMOOCの動向を振り返る

edSurgeに「MOOCs in 2015: Breaking Down the Numbers」という2015年のMOOC動向のまとめ記事が出ていましたので、この記事をもとに、日本語で少し解説を加えて紹介します。

2015年は、当初のMOOCへの関心の過熱ぶりはひと段落した感がある中、利用者の拡大や教育システムとしての普及に向けた取り組みが着実に進展している様子が示されています。

MOOC情報サイトのClass Centralのデータをもとに、以下のような点がコメントされています。

・MOOC登録者数は約3500万人にのぼり、2014年の約1700万人からほぼ倍増。Coursera(約1700万人)がMOOCプラットフォーム登録者数の半数近くとなっており、英国のFutureLearnが2014年の80万人から300万人に大きく伸びている。

・550以上の大学・機関から約4200コースが提供されており、2015年中に新規開講がアナウンスされたのは1800コース。

・コース内容は、キャリアアップにつながりやすいICTスキルやビジネススキル系のコースが増加し、人文社会科学系のコースが減少したが、バランスよく幅広い分野のコース提供が行われている。

・プロバイダーの新規参入は、アート系教育に特化したMOOCプラットフォームのKadenzeのみ。提供コース数の割合ではCoursera, edX, Canvasの順で、昨年と同様の傾向。

・提供コースの言語は、昨年と同じく英語が最大でスペイン語、フランス語が続く。ローカルMOOCのコース数増や、英語で提供中のコースの多言語化が進んでおり、16か国語で提供されている。

・2015年中に開講された新規2200コースのうち、Class Centralのユーザーレビューで評価が特に高かった上位のコースは以下の通り。有名大学ばかりでなく、テーマも幅広いです。

  1. A Life of Happiness and Fulfillment (Indian School of Business & Coursera)
  2. Introduction to Programming with MATLAB (Vanderbilt University & Coursera)
  3. The Great Poems Series: Unbinding Prometheus (OpenLearning)
  4. Marketing in a Digital World (UIUC & Coursera)
  5. Fractals and Scaling (Santa Fe Institute & Complexity Explorer)
  6. What is a Mind? (University of Cape Town & FutureLearn)
  7. Algorithms for DNA Sequencing (Johns Hopkins University & Coursera)
  8. Mindfulness for Wellbeing and Peak Performance (Monash University & FutureLearn)
  9. Programming for Everybody: Getting Started with Python (University of Michigan & Coursera)
  10. CS100.1x: Introduction to Big Data with Apache Spark (UC Berkeley & edX)

・Class Centralのユーザーレビューの大学への評価ランキングは以下の通りです(5コース以上MOOCを提供している大学で集計)。

  1. Santa Fe Institute
  2. Monash University
  3. Case Western Reserve University
  4. San Jose State University
  5. Australian National University
  6. Yale University
  7. The University of North Carolina at Chapel Hill
  8. University of Melbourne
  9. University of Queensland
  10. Wharton School of the University of Pennsylvania

これらのランキングは、Class Centralのユーザー分布も影響している感がありますが、THEなどのトップ大学ランキングで見られるものとはだいぶ異なっています。

2015年のトレンドとして以下の点が挙げられています。

・ビジネスモデルとして修了証発行からの収入拡大が進展しており、複数コースをまとめたセット受講プログラムの開発が進み、100以上のプログラムが提供中。UdacityのNanodegrees、CourseraのSpecializations、edXのXseriesとして提供されている。

・edXは大学との単位互換を推進して、アリゾナ州立大のグローバルフレッシュマンアカデミーで初年次教育科目の単位が提供されるなどの動きが進展。

・無料のコース修了証(受講認定証)の発行が廃止され、Coursera、edXとも修了証発行は有料に。コース受講無料で、有料のオプションサービスの開発が進みつつある。

・常時開講コースへの移行が進み、800コース以上が常時開講でいつでも受講できるようになった。当初は大学の授業をモデルにして期間を区切った形で提供されていたが、初回のみで再開講の予定が公開されていないコースが半数以上出ているなど問題があり、運営モデル自体が変わりつつある。

・高校生向けのコース開発が進む。特にedXとFutureLearnで大学入学準備や試験対策などのコースが提供されるようになり、高大接続に貢献する学習支援ツールとしてのMOOC利用の可能性が示された。

・実験的にMOOCに取り組む段階からシフトして、国際的なオンライン教育プラットフォームとして定着に向けた動きが進展した1年で、具体的なビジネスモデルの確立や既存の教育システムとの連携に向けた試みが目立った。

2016年は継続性確立のため、各プロバイダーで有料サービス開発が進んで、無料で提供される学習の場はさらに限定的になるのではないかという予想で締めくくられています。

また、Times Higher Education に先日掲載された記事「Moocs: international credit transfer system edges closer」では、欧州、北米、オーストラリアの6つ大学が連携して、MOOCの単位互換システムを準備中であることが紹介されています。MOOC参加大学の国際会議の様子を見ると、このような動きは他にも出てきそうな気配で、今年はMOOCを軸とした国際的な大学連携が進展する動きも進みそうです。

謹賀新年2016

新年明けましておめでとうございます。
昨年も多くの皆様に大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。

実家に帰省して、何となく2015年を振り返っているうちに年を越してしまいました。今年も健康に大過なく1年を過ごすことができたことに感謝しています。

昨年も活動の成果はある程度出すことができたと思いつつも、自分で大体ここまでやればこれくらいの成果が出るかなと予想する範囲での成果にとどまっていた感がありました。余裕を持って仕事ができるようになることは悪いことではありませんが、なんというか、その状態に自分が先に飽きてくるようなところがあって、昨年後半は自分の能力的な壁の前でウロウロしながら、この数年で自分の向かう方向において何にフォーカスするのが良いか考えながら過ごしていたところがありました。

目の前の仕事をこなしながら、気持ち的には模索が続いていましたが、おかげで今年はフォーカスする方向がある程度見えてきました。後はその方向に沿って仕事をしていけば、年末にはある程度成果が出ているだろうという希望を持って臨んでいきたいと思います。基本的な方針は、研究者として他の人がやらないこと、やろうとも思わないことをやる、社会に有用で面白いことを面白くやる、ということです。この方針は10年以上変わっていませんが、最近気持ちが薄れていたことで、考えがぶれて逡巡しがちになっていたようなので、この点は今年は基本に立ち返って進んでいこうと思います。

年齢的にも40代半ばに差し掛かろうとしており、ここからもう一段階大きな仕事をするには、そろそろドライブをかけてチャレンジしていかないといけないという気持ちが高まっています。焦らず着実に進めて、足りないスキルの学び直しも力一杯やっておこうと思います。

今年は昨年以上に重要な仕事が増えそうなので、気を引き締めながら、存分に腕を振るっていきたいところです。具体的な活動内容については、順次ご報告していくことになるかと思いますので、面白がって見守っていただければと思いますし、多くの方々と共に成果を出していければと思います。

そのようなことを考えつつ、新年初日を過ごしています。
皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

Ludix Lab公開研究会:愛和小学校 × Ludix Lab 「i和design冬期講習会」(12/26)のお知らせ

早くも年末になってしまいましたが、今年最後の土曜日にLudixLabの公開研究会を開催します。Facebook等の他の手段で告知して最近ブログが後回しになってますが、お気づきでない方のために改めてお知らせいたします。

今回は、ICTを導入した先進的な教育実践の取り組みで知られる愛和小学校の先生方をお招きしてのジョイントセッションです。Ludix Labフェローの為田裕行さんの企画で実現しました。為田さんにはいつも私が持っていない観点から企画を出していただいて、パワフルにご尽力いただいてます。


愛和小学校 × Ludix Lab 「i和design冬期講習会」@東京大学
http://peatix.com/event/130377

【概要】
ゲームと学習に関する研究・開発・実践を支える学術的な研究ユニットLudix Lab(藤本徹 代表)の公開研究会として、多摩市立愛和小学校(松田孝 校長)が推進する「i和design」を学校の先生方に体験していただくための冬季講習会を、東京大学にて開講します。

この公開研究会では、小学校におけるプログラミング教育や教科教育でのタブレット端末などのICTを導入した先進的な教育実践の取り組みで知られる愛和小学校の授業をダイジェストで体験できます。また、Ludix labのメンバーと、ゲーム学習やゲーミフィケーションの知見を用いて、学校を楽しくて学べる場にする方法を考えるランチョンセッションにもご参加いただけます。

一年の締めくくりに、愛和小学校での現場の知見とLudix Labのアカデミックな知見に触れてみませんか。

【スケジュール】(予定)
朝会 仕掛け人によるイントロダクション
為田裕行(フューチャーインスティテュート株式会社 取締役、Ludix Labフェロー)

1時間目 校長講話&「マインクラフト」を取り入れた授業実践
テーマトーク「タブレット端末の機能を活かした新しい授業づくりの方法」
松田孝 (多摩市立愛和小学校 校長)

2時間目 小学校でプログラミング!
愛和小学校でのプログラミング教育実践報告
LEGO EV3を活用したワークショップ
算数などの授業への導入について検討

ランチョンセッション「学校を楽しくて学べる場にする方法を考える」
福山佑樹(東京大学教養学部附属教養教育高度化機構 特任助教、Ludix Labフェロー)
藤本徹 (東京大学 大学総合教育研究センター 助教、Ludix Lab代表)

3時間目・4時間目 模擬授業風ワークショップ
タブレット端末の機能を活かした新しい授業づくりの方法!を体感
ロイロノートスクール&スクールタクトを活用して、社会と国語の授業を実施。
授業での効果的活用を体感します。

★開催日時:2015/12/26 (土)10:30 – 16:30

★会場: 東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1・2(B2F)

★参加費:学校教員2000円、一般5000円(昼食付です)

★定員: 30名(先着順)
・主な対象:学校教員、教育関係者

※なお、本セッションの模様は、主催者が撮影・録音し、Webサイト等での広報や講演資料、書籍等に使用したり、メディア取材に対して提供したりする場合があります。ご了承の上でご参加ください。

★登壇者プロフィール:
藤本 徹(ふじもととおる): 慶應義塾大学環境情報学部卒。民間企業等を経てペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了。博士(Ph.D. in Instructional Systems)。2013年より現職。東京工芸大学芸術学部非常勤講師等を兼務。専門は教授システム学、ゲームの教育利用や社会的応用の研究、シリアス ゲーム開発者教育。著書に「シリアスゲーム」、訳書に「テレビゲーム教育論」、「デジタルゲーム学習」、「幸せな未来は「ゲーム」が創る」など。

為田 裕行(ためだ ひろゆき): 慶應義塾大学総合政策学部卒。大学卒業後、西日本の大手学習塾企業を経て、 フューチャーインスティテュートの設立に参画。 以後、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学の教壇に立つと共に、 学校教員向けの研修プログラム設計、授業計画コンサルテーション、 教育テレビ番組や幼児向け教材、サービスなどの教育監修も行っている。学校、教育委員会、学習塾向けの教育ICT導入支援を手がける。

福山 佑樹(ふくやまゆうき):東京大学大学院学際情報学府修士課程、早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程を経て、2014年より現職(博士:人間科学)。ゲームを利用した社会問題の学習手法など、ゲームと教育・学習の関係性について研究している。学内ではアクティブラーニング型授業の実践・普及を担当。分担執筆に「職場学習の探究」、「対人援助のためのグループワーク2」など。

i和designチーム:多摩市立愛和小学校 有志の先生方。

★主催: Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)
—-
参加申込、お問い合わせは下記の開催概要をご参照ください。
http://peatix.com/event/130377

年末押し迫っての開催ですので、もう年末休みに入られている方もいらっしゃるかもしれませんが、久々の公開研究会です。どうぞご参加ください。

ECGBL 2015の国際シリアスゲーム・教育ゲームコンペティションで「ジョブスタ」がノンデジタルゲーム部門最優秀賞を受賞

Facebookなどでは速報でお伝えしましたが、その後慌ただしく過ごしていてブログでご報告しそびれていましたので、改めて参加&受賞のご報告です。

先日、ノルウェーのスタインシャーで開催された第9回European Conference on Games Based Learning(ECGBL 2015)において、3rd International Serious Educational Games Competition(第3回国際シリアスゲーム・教育ゲームコンペティション)が行われました。

ECGBL 2015
http://academic-conferences.org/ecgbl/ecgbl2015/ecgbl15-home.htm

このゲームコンペにLudix Labで開発したキャリア教育カードゲーム「ジョブスタ」でエントリーしたところ、幸いにもノンデジタルゲーム部門最優秀賞を受賞しました。 福山佑樹さん、浅見智子さんとの共同開発したゲームです。論文発表の方も好反応で無事に終わりました。

Fujimoto, T., Fukuyama, Y., and Azami, S. (2015) Game-Based Learning for Youth Career Education Using a Card Game ‘JobStar’. Proceedings of The 9th European Conference on Games Based Learning. 203-209. Nord-Trondelag University College Steinkjer, Norway. [download]

「ジョブスタ」は今回、このコンペのために即席で英語版を制作して、英語での説明資料を準備して参加しました。日本語版は製品化して、法人向け研修パッケージとして販売しています。各種研修向けゲームを扱っておられる株式会社HEART QUAKEさんに販売をお願いしています。研修や授業で使ってみたい方はぜひご検討ください。

「未来の仕事」を創り出せ!「ジョブスタ」紹介ページ(HEART QUAKE社ウェブサイト)
http://heart-quake.com/jobsta.html

なお、来年のECGBLは、スコットランドのペイズリーにあるUniversity of the West of Scotlandで10月6~7日に開催されるとのことです。ゲームコンペは日本で開発されたシリアスゲームを海外でアピールする良い機会ですので、ぜひ来年に向けてエントリーをご検討ください。

ECGBL 2016
http://academic-conferences.org/ecgbl/ecgbl2016/ecgbl16-home.htm

 

日本教育工学会全国大会での活動予定

早いもので9月も下旬に入りました。今回の投稿からブログの見栄えが変わりましたが、ブログを改修しました。古いバージョンのMobableTypeをずっと使っているのが気になっていたので、夏休みに思い立ってWordpressに移行して、サーバの移転など少しずつ作業していてようやく運用開始して最初の投稿です。まだデフォルトそのままな感じで適当ですが、もう少し見栄えや使いやすさの改善を図りたいと思います。

さて、前の投稿でお知らせしましたように、明日9月21日から23日まで電気通信大学で開催される、日本教育工学会第31回全国大会の一般研究発表とSIGセッションで発表します。私の発表は初日午前の一つ目です。最近のCoursera、edXで提供されているMOOCの動向から、MOOCの特徴を活かした展開についての話題です。

MOOC配信による高等教育のグローバル展開の動向
○藤本 徹,荒 優,一色 裕里,山内 祐平 [東京大学]
http://www.jset.gr.jp/taikai31/program/program_session.php?tp=1a#a_1a-B102

それと今回は、SIG-05「ゲーム学習・オープンエデュケーション」の活動成果として、この分野の研究動向や研究リソースをまとめたSIGレポートを制作しました。一緒に編集をご担当いただいた北大の重田先生のチームの皆さんのご活躍で、見栄えの良い感じのデザインで仕上がりました。大会会場のSIG紹介ブースで無料配布します。目立つSIG紹介ポスターを用意していただいてますので、どうぞお越しください。

大会3日目 (9月23日)午後のSIGセッションでは、このレポートの内容をベースにした発表やディスカッションを行います。
http://www.jset.gr.jp/taikai31/program/program.php

SIGレポートの執筆者からの話題提供として、この分野の研究動向やこれまでに取り組まれた研究を紹介し、今後の研究課題や議論すべき点について検討します。
SIG未登録の方も気軽にご参加ください。

SIG-05: ゲーム学習・オープンエデュケーション
9月23日(水)14:10~16:40 会場:B102
コーディネーター: 藤本 徹(東京大学), 重田 勝介(北海道大学)

セッション構成(予定):
・趣旨説明
・ゲーム学習分野の動向:藤本 徹(東京大学)
・教科横断型学習・インフォーマル学習におけるゲーム学習研究事例:福山 佑樹(東京大学)
・オープンエデュケーション分野の動向:重田 勝介(北海道大学)
・MOOC事業におけるビジネスモデル要素:北村 士朗(熊本大学)
・「Open」にすることの意味:永嶋 知紘(北海道大学)
・グループディスカッション、全体総括

 

近々の研究発表・講演予定など

 毎日暑いですね。相変わらず目先の仕事に時間がとられて、なかなか先の予定など整理して考える時間を作れませんが、このまま原稿書きの宿題を片付ける夏休みに突入です。少しスローダウンしながら、あれこれ仕掛りの案件を片付けたいと思いますが、ひとまず近々の研究発表や講演の予定などお知らせします。
★「Minecraft x Education 2015」基調講演
まず、もう明日ですが、8月9日(日)に早稲田大学で開催されるMinecraft x Education 2015のカンファレンスで、午前の基調講演セッションで講演します。
Minecraft x Education 2015
http://www.mcedu.jp/
★「日本教育工学会第31回全国大会」研究発表
9月21-23日に電気通信大学で開催される日本教育工学会第31回全国大会の一般研究発表とSIGセッションで発表します。私が参加しているSIG「ゲーム学習・オープンエデュケーション」でこの分野の研究動向や研究リソースをまとめたSIGレポートを準備しています。大会会場で配布するとともに、SIGセッションではこのレポートの内容をベースにした発表やディスカッションを行います。
http://www.jset.gr.jp/taikai31/program/program.php
MOOC配信による高等教育のグローバル展開の動向
○藤本 徹,荒 優,一色 裕里,山内 祐平 [東京大学]
http://www.jset.gr.jp/taikai31/program/program_session.php?tp=1a#a_1a-B102
★ECGBL2015
ノルウェーのスタインシャーで開催される9th European Conference on Games Based Learningでカードゲーム「ジョブスタ」についての研究発表を行います。ゲームコンペにも出品して書類審査を通過したので、初日に審査プレゼンと公開デモがあります。ノルウェーに行くのは初めてで楽しみですが、発表もコンペもどうなることかヒヤヒヤです。
http://academic-conferences.org/ecgbl/ecgbl2015/ecgbl15-home.htm
Game-Based Learning for Youth Career Education Using a Card Game “JobStar”
Fujimoto Toru, Yuki Fukuyama, The University of Tokyo, Japan and Satoko Azami, Japan
 秋に予定されているこれらの学会発表や海外出張を終えた頃には、もう寒くなって年末が近づいているという状況で、慌ただしく1年が過ぎていきます。このほか準備中の出版予定や研究会なども頑張って前に進めて順次お知らせしたいと思います。

誕生日を迎えての近況など

 42歳の誕生日を迎えました。
 多くの方からFacebookなどでお祝いメッセージをいただきありがとうございました。個別にお返事できなくて申し訳ないですが心より御礼申し上げます。このようなタイミングは、ご無沙汰している方と気軽にキャッチアップするきっかけになって良いですね。飲み会やご相談のお誘いをいただいた方々もありがとうございます。ご希望に合わせて時間作りますので、ぜひまた日程調整させてください。
 近況のご報告ですが、東大に来て5年目に入り、担当する業務も海外向けのMOOC専任に近い状態で動けるような立場になったので、ここ数年でも一番精神的に余裕のある状態で仕事できているのが嬉しい変化です。昨年の誕生日に書いているブログを読み返しても感じますが、しばらく実際降ってくる仕事を受け身でさばくだけで精一杯の厳しい時期が続いていました。周囲のご配慮をいただいたおかげで一番厳しい時期はなんとか乗り切って、今は少し落ち着いたところにいる状態でしょうか。
 昨年から今年にかけて、成果を形にするということに集中してきましたが、現在は日本教育工学会が進めている教育工学選書「ゲームと教育・学習(仮)」の巻の共編著者として刊行準備を進めています。遅れていた担当分の原稿執筆も最終段階ですので、ペースアップして遅れを挽回したいと思います。
 Ludix Labの昨年からの活動成果として、キャリア学習カードゲーム「ジョブスタ-Create Your Star Job-」の製品版と英語版の制作を進めています。英語版は国際会議のゲームコンペにエントリー予定です。今年度のシリアスゲーム開発ワークショップも順調に進んでいますので、今年後半にかけて、次の作品を出せればと思います。
 大病もせずほどほどに健康に過ごしていますし、大事なく後厄の年を過ごしていますので、40代という歳をあまり実感しませんが、薬局で目薬を選ぶ時など、ナントカ40とかいう中年向け商品を選ぶ年頃に入ってきたことを日常でふと感じさせられます。若い頃の闇雲に馬力で頑張る力が落ちていたり、きちんと睡眠を取らないと機能しなくなっていたりして、できなくなっていることもあるのですが、少し以前の自分ができなかったことができるようになっている成長実感はこの年になっても感じています。来年はどんなことを考えて過ごしているだろうかと毎年楽しみに思っていますが、来年もそういう気持ちで誕生日を迎えられればと思います。

Ludix Lab「シリアスゲーム開発ワークショップ」(2015年度前期)開催のお知らせ

 昨年度開催しましたLudix Lab「シリアスゲーム開発ワークショップ」を今期も開催しますのでお知らせします。
 今期のテーマは「地域振興・地方創生」です。地域振興に貢献するゲームの企画を立てて、参加者で企画をブラッシュアップし、プロトタイプ開発を進めます。 
 企画趣旨はいたってシンプルで、「何かシリアスゲームを作りたいのだけど、独りでは進められないので、誰かと一緒にやれたら」というニーズにお応えする場です。4か月ほどの間に2時間×5回のセッションを行えば、結構な活動ができて、プレイアブルなデモは十分に開発できます。
 たとえば、昨年度のプロジェクトで開発した、キャリア学習カードゲーム「ジョブスタ」は、3か月間で企画の概要を固めて、プレイアブルなカードゲームが完成し、昨年度のワークショップ最終回に行った「プレイテスト大会」に出展しました。その後下記のような研究発表や導入実績につながりました。

★学会発表:
藤本 徹, 福山 佑樹, 浅見 智子 (2015) キャリア学習カードゲーム「ジョブスタ」の開発と評価. 日本デジタルゲーム学会2014年次大会予稿集, 110-113.
★導入実績:
大学生協「就活応援ステーション」ワークショップ, 大学生協インターカレッジコープ, 2014年11月
ベネッセ未来EXPOワークショップ, 幕張メッセ, 2015年3月28日
★メディア掲載:
週刊キャンパスTV#55 就活ワークショップ「ジョブスタ」を取材!2015年1月

 まだアイデアがないのだけど、という方も最初はアイデアソンから入って企画を進めるという形で進められますし、既に企画を持ち込んだ方と一緒にチームを組んで開発に参加することもできます。
 今期は火曜に変更して、下記のような要領で、月1回ほどのペースで、18時30分~20時30分に開催予定です。皆さんどうぞご参加ください。