ECGBL 2015の国際シリアスゲーム・教育ゲームコンペティションで「ジョブスタ」がノンデジタルゲーム部門最優秀賞を受賞

Facebookなどでは速報でお伝えしましたが、その後慌ただしく過ごしていてブログでご報告しそびれていましたので、改めて参加&受賞のご報告です。

先日、ノルウェーのスタインシャーで開催された第9回European Conference on Games Based Learning(ECGBL 2015)において、3rd International Serious Educational Games Competition(第3回国際シリアスゲーム・教育ゲームコンペティション)が行われました。

ECGBL 2015
http://academic-conferences.org/ecgbl/ecgbl2015/ecgbl15-home.htm

このゲームコンペにLudix Labで開発したキャリア教育カードゲーム「ジョブスタ」でエントリーしたところ、幸いにもノンデジタルゲーム部門最優秀賞を受賞しました。 福山佑樹さん、浅見智子さんとの共同開発したゲームです。論文発表の方も好反応で無事に終わりました。

Fujimoto, T., Fukuyama, Y., and Azami, S. (2015) Game-Based Learning for Youth Career Education Using a Card Game ‘JobStar’. Proceedings of The 9th European Conference on Games Based Learning. 203-209. Nord-Trondelag University College Steinkjer, Norway. [download]

「ジョブスタ」は今回、このコンペのために即席で英語版を制作して、英語での説明資料を準備して参加しました。日本語版は製品化して、法人向け研修パッケージとして販売しています。各種研修向けゲームを扱っておられる株式会社HEART QUAKEさんに販売をお願いしています。研修や授業で使ってみたい方はぜひご検討ください。

「未来の仕事」を創り出せ!「ジョブスタ」紹介ページ(HEART QUAKE社ウェブサイト)
http://heart-quake.com/jobsta.html

なお、来年のECGBLは、スコットランドのペイズリーにあるUniversity of the West of Scotlandで10月6~7日に開催されるとのことです。ゲームコンペは日本で開発されたシリアスゲームを海外でアピールする良い機会ですので、ぜひ来年に向けてエントリーをご検討ください。

ECGBL 2016
http://academic-conferences.org/ecgbl/ecgbl2016/ecgbl16-home.htm

 

日本教育工学会全国大会での活動予定

早いもので9月も下旬に入りました。今回の投稿からブログの見栄えが変わりましたが、ブログを改修しました。古いバージョンのMobableTypeをずっと使っているのが気になっていたので、夏休みに思い立ってWordpressに移行して、サーバの移転など少しずつ作業していてようやく運用開始して最初の投稿です。まだデフォルトそのままな感じで適当ですが、もう少し見栄えや使いやすさの改善を図りたいと思います。

さて、前の投稿でお知らせしましたように、明日9月21日から23日まで電気通信大学で開催される、日本教育工学会第31回全国大会の一般研究発表とSIGセッションで発表します。私の発表は初日午前の一つ目です。最近のCoursera、edXで提供されているMOOCの動向から、MOOCの特徴を活かした展開についての話題です。

MOOC配信による高等教育のグローバル展開の動向
○藤本 徹,荒 優,一色 裕里,山内 祐平 [東京大学]
http://www.jset.gr.jp/taikai31/program/program_session.php?tp=1a#a_1a-B102

それと今回は、SIG-05「ゲーム学習・オープンエデュケーション」の活動成果として、この分野の研究動向や研究リソースをまとめたSIGレポートを制作しました。一緒に編集をご担当いただいた北大の重田先生のチームの皆さんのご活躍で、見栄えの良い感じのデザインで仕上がりました。大会会場のSIG紹介ブースで無料配布します。目立つSIG紹介ポスターを用意していただいてますので、どうぞお越しください。

大会3日目 (9月23日)午後のSIGセッションでは、このレポートの内容をベースにした発表やディスカッションを行います。
http://www.jset.gr.jp/taikai31/program/program.php

SIGレポートの執筆者からの話題提供として、この分野の研究動向やこれまでに取り組まれた研究を紹介し、今後の研究課題や議論すべき点について検討します。
SIG未登録の方も気軽にご参加ください。

SIG-05: ゲーム学習・オープンエデュケーション
9月23日(水)14:10~16:40 会場:B102
コーディネーター: 藤本 徹(東京大学), 重田 勝介(北海道大学)

セッション構成(予定):
・趣旨説明
・ゲーム学習分野の動向:藤本 徹(東京大学)
・教科横断型学習・インフォーマル学習におけるゲーム学習研究事例:福山 佑樹(東京大学)
・オープンエデュケーション分野の動向:重田 勝介(北海道大学)
・MOOC事業におけるビジネスモデル要素:北村 士朗(熊本大学)
・「Open」にすることの意味:永嶋 知紘(北海道大学)
・グループディスカッション、全体総括

 

Game-LAT:ゲームと学習に関する研究開発グループを立ち上げました

※追記(1/27): この研究グループを統括する研究ユニットLudix Lab(ルディックスラボ)を設立しました。Ludix Labでの活動も順次お知らせします。
 このたび、ゲームと学習に関する研究開発グループ”Gameful Learning Assessment & Technologies(Game-LAT)”を立ち上げましたのでお知らせします。
 このグループは、先ごろ藤本が理事に就任した、NPO法人Educe Technologiesを活動母体としています。諸々準備中なため、ひとまずは当ブログで設立経緯や活動方針をお伝えします。
◆Game-LAT設立経緯:
 海外のシリアスゲームや教育系のゲーム研究分野の動向を見ていくと、すでに一つの市場として形成されていて、研究拠点が各大学で立ち上がり、専門の開発会社も数々起業しています。ゲーム研究で学位取得して活躍する研究者が増えており、シリアスゲーム系の国際会議がいくつも運営されていて、大いににぎわいを見せています。
 その背景には、政府系や非営利財団系の手厚い支援があるわけですが、日本国内でいきなりそのような恵まれた状況が訪れることはなかなか期待できません。その結果として、ゲームに可能性があると思っても、何かやりたいという関心があっても、一人一人が分断された状態では、なかなかモチベーションも続かないし、どこへ行ったら一緒にやれる仲間を見つけられるのかわからない、関心のある人同士がつながる機会はあまり多くない、という状況が何年も続いています。
 支援がないから活動できない、と言って動かなければいつまでたっても状況は変わらないわけで、不利な条件下でもやれることをやりながら力をつけていこう、若い人たちが希望をもってこの分野で研究を続けていくための道を創っていこう、海外に向けて日本の教育分野のゲーム研究の拠点として情報発信していこう、という趣旨で設立しました。
◆Game-LATの活動領域について:
 Gameful Learning Assessment & Technologiesという名称の通り、「ゲームフルな学び」に関するデザインはもとより、評価の枠組みや技術的な研究開発についても活動対象としています。
 デザインに焦点を当てているところは他にもあるので、それだけではなくて評価手法の開発や新しい技術の研究も柱としていこうという考えを名称に込めています。この「ゲームフルラーニング」という考え方がこれまでのエデュテインメントやシリアスゲームやゲーミフィケーションとどう違うのか、同じなのか、というところについては、あらためて少しずつ解説していきたいと思います。また、Educe Technologiesでご一緒している副代表理事の中原淳先生は、「プレイフルラーニング」という呼び方で、社会人の学びについて研究・実践されていますが、この「プレイフル」と「ゲームフル」についても、関心の重なる部分とベクトルの異なる部分があります。その辺りの話もまた別の機会にご紹介します。
◆Game-LATの活動内容:
 ではこのGame-LATとして何をやっていくのか、というところですが、当面の活動方針として、次の3点を軸として位置づけています。
1.ゲームと学習に関する研究を進める各種研究会の主催
 Game-LATの活動として、ゲームと学習に関する研究活動を行い、実践につながる知見を共有、発信していく機能として研究会を行います。一つ目の研究会として、ゲームベースド・ワークショップ(GBW)研究会を立ち上げて、教育ゲームデザイン、ゲーム教育、の研究や実践に取り組んでいる方々と活動中です。
 このGBW研究会は、「分野の異なるゲームを利用したワークショップのファシリテーターや研修講師が相互に学び合って知見を共有する場を創り、ゲームを利用した教育活動に関する実践知を捉え直し、理論的に整理・考察する」ことをテーマとしています。現在はコアメンバーとして参加していただいている皆さんと定期的に会合しながら知見の整理や企画を進めています。GBWのファシリテーション、プログラムデザイン、教育評価などのテーマに取り組み、活動が進むにつれて順次、公開ワークショップやセミナーを提供していく予定です。
 GBW研究会のほかにも、次のような研究会を順次展開していきたいと考えています。「この研究会やってほしい!」というリクエストや、協力したいのだけど、というご希望がございましたらご連絡ください。
Game-LAT_research.jpg
2.「ゲームベースド・ワークショップ」のライブハウス的な場の提供
 研究は研究として進めていくわけですが、ワークショップのような実践活動には、当然実践の場が必要です。そのため、Game-LATでは、ゲームを取り入れた教育・研修活動や、ゲームデザインワークショップのような実践活動を継続的に行う場を提供したいと考えています。
 当面は、可能なところから徐々に増やしていく感じですが、いずれは落語の寄席や音楽のライブハウスのように、「ここに来れば、いつも何か面白そうなゲームのワークショップをやっている、なんだか面白そうなものを作っている」という常設的な活動の場を作りたいと考えています。
 コンテンツ産業の各分野を見ていくと、市場が形成されて、その分野で人々が職を持って食べていけるようになっている分野には、必ず継続的な活動を促す場があります。物書きには週刊や月刊の雑誌があり、パフォーマーにはライブショーやコンサートのようなイベントがあり、芸能タレントにはテレビやラジオのような放送メディアで流される番組があり、といった具合に、実践しながら経験を積んで、腕を磨いていける機会が存在します。その機会の中で、エンジニアや運営スタッフのような役割の職業も提供されて、徐々にその分野で職を得て働くことのできる人の層が厚くなっていくことで産業を支える基盤ができていくという側面があります。
 教育分野でも、教師にとっては毎日学校で行われる授業がそのような経験を積む実践の場として機能しているところがあるわけですが、ワークショップデザイナーやワークショップパフォーマーにとってはどうかというと、まだそこまで行っていないのが現状だと思います。最初から人気ワークショップデザイナーにお客がついて興行として成立する、というようなことはなかなかないわけで、儲からなくても好きでやってる「ライブハウスのおやじさん」的な人が地道にその分野の支援を行いながら、才能ある人々が経験を積んでいって、どこかのタイミングでブレイクしていく、という要素が何らかの形で提供される必要があると見ています。
 そのような観点から、このGame-LATは、ゲームと学習に関わるコンテンツ開発やゲームベースドワークショップにおけるインディーズレーベル、小劇場のプロモーター的な役割で動いていこうと思います。資金も人もいない状況ですので、やれることは限られていますが、地道にコツコツ成果を積み上げていこうと思います。
 まず、この枠組みのテストケースとして、GBW研究会の若手研究者ユニットが「オリジナルな教育ゲームを作成するワークショップ」を開催します。詳細は下記をご参照ください。
「オリジナルな教育ゲームを作成するワークショップ」のご案内
http://bit.ly/Ryzits
3.ゲームと学習に関する研究開発に関するコンサルテーション
 新たに教育用ゲームの開発や、ゲームを利用した教育活動の評価など、ゲームと学習に関わる研究や開発を推進するプロジェクトを行います。オンライン教育でのゲームを取り入れた教材のデザインの監修や、開発プロジェクト成功のためのアドバイスを行います。これまでにも藤本が個人としてさまざまな案件の相談を受けてきましたが、個人での対応は限界があってお応えできないことも多かったので、今後はこのGame-LATを窓口としてお応えできる幅を広げられたらと思います。
 営利的なゲームの開発はいくらでも請け負う会社がありますので、そちらにお任せするとして、このGame-LATではゲームと学習に関する専門的な知見が求められる内容や、非営利、公共的なテーマのプロジェクトを形にするための機能を提供します。予算規模や実施主体のニーズによって、監修的な立場で関わったり、開発メンバーを集めたり、連携窓口となったり、予算確保のために協力したり、といった形でできる限りのご要望にお応えしたいと思います。

 以上のようなところが、このGame-LATの旗揚げ声明のようなものです。当座は資金も力もありませんが、誰かが始めないと何も面白いことは起こりませんし、米国のような状況を羨ましがっているばかりでは先に進みません。この分野の研究者として、手持ちのリソースでやれるところからこの分野を盛り上げていくための一手として、このGame-LATを立ち上げました。近い将来の「ゲームフルな学び」を軸とした活動があちこちで盛り上がる世界に向けた準備を進めていきたいと考えています。
 何か協力してほしい、こういうことを一緒にやれないか、といったお問い合わせがございましたら、以下のメールアドレス宛にご連絡ください。
gamelat2012 at gmail.com ( at を @に変えてください)
藤本 徹 (NPO法人Educe Technologies 理事)

CIEC北海道支部にて講演(3月30日)

 ここ3週ほど京都~福岡~高松と、週末の発表や講演が続いてましたが、今週は一息ついて家事を片付けたりしてます。
 来週24日は、先週お知らせしたBEATセミナーの開催が控えてます。翌週の30日はCIECの北海道支部の研究会にお招きいただいて下記のセッションを行います。
今回が人生初めての北海道訪問なので、楽しみにしています。お近くの皆さまどうぞお越しください。

CIEC 北海道支部 第5回研究会のご案内
「学校はゲームから何を学べるか」
■テーマ: 学校はゲームから何を学べるか
■日 時: 2012年3月30日(金) 15:00-16:30
■会 場: 北海道クリスチャンセンター
札幌市北7条西6丁目
http://www.h3.dion.ne.jp/~hcc/
◆プログラム
14:30 受付開始
15:00-16:00
[講演]
 学校はゲームから何を学べるか
   東京大学大学院情報学環特任助教  藤本 徹 氏
(概要)近年のゲームへの社会的な関心の高まりは教育分野にも広がっており、
ゲームを取り入れたさまざまな教育関連製品やサービスが生まれています。これ
までにも教育現場でのゲーム利用は取り組まれてきましたが、現在起きている現
象は以前と何が異なるのでしょうか。国内外の事例を通して、ゲームと学びの関
係を整理しながら、ゲーム有害論とは異なる視座からゲームについて考えるため
の話題を提供します。
16:00-16:30 参加者全員で意見交換
◆参加費:CIEC 会員は無料 (当日会場での入会申し込みにも適用されます)、
     その他の方は500円 (どなたでもご参加いただけます)
◆お申込:CIEC 事務局
e-mail : sanka@ciec.or.jp  TEL/FAX : 03-5307-1195 / 03-5307-1180

「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップを開催しました

 先週16日に、「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップを開催しました。ご参加者の皆さまありがとうございました。
 今回のワークショップは、教育分野のゲーム研究に関心がある院生や学部生たちと一緒にやっている勉強会、CLG(Community for Learning and Games)研究会のメンバーで企画しました。最初の公開イベントということもあって小規模な開催にしたのですが、おかげさまで定員の倍以上のお申し込みをいただきました。そのため、ご参加いただけなかった方も多数出てしまいました(申し訳ありませんでした)。
 今回のワークショップの模様は、下記ツイートまとめをご覧ください。
「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップのまとめ
http://togetter.com/li/228844
 発表を担当したQuest to Learnの事例は、以前から興味を持っていたのですが、今回調べてみてさらに興味が増しました。カリキュラムや学習活動に関する資料は豊富に公開されていて、資料を読みこむほどに、ゲームデザイナーと教育研究者のコラボレーションによって入念にデザインされた学校なのだということが伺えます。産学官連携のプロジェクトの組み方や予算確保の進め方についても、ただお金があればできるというものでもなく、教育改革プロジェクトとしてよく考えられたものであるということを理解しました。藤本発表のスライドはSlideshareで下記のように公開しましたのでご覧ください。
 個人的にも気づきの多い充実した時間でした。一緒に発表した院生の池尻くん、福山くんの事例も面白かったし、後半のグループセッションも参加者の皆さんが熱心にワークに取り組んでくださり、最後の全体ディスカッションはゲーム要素を取り入れた教育のデザインについて示唆にあふれた議論ができました。このテーマに関心のある方たちがつながる機会を作れたことが何より嬉しいことです。
 次回開催を希望する声もたくさんいただきましたので、今後も学習とゲームに関連したテーマを設定して、不定期に開催したいと思います。

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「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップ
趣旨:昨年来の急速な「ゲーミフィケーション」への関心の高まりは、教育分野へも波及しています。既存のゲーム的な要素を含んだ活動をゲーミフィケーションの枠組みで捉えて評価し直す動きとともに、ゲームデザインの手法を用いた新たな教育カリキュラムや学習環境を生み出そうとする試みも、欧米を中心に進められています。
今回の研究会では、「教育のゲーミフィケーション」をテーマとしたワークショップを開催します。ゲームデザイナーと教育専門家が協力してカリキュラムを開発した米国ニューヨーク市の公立チャータースクール「Quest to Learn」やニューヨーク公共図書館で行われたイベント「Find the Future」などの事例を紹介し、ゲーム要素を取り入れた学びの場のデザインするためのアイデアや工夫の仕方を議論します。
主な対象者:
教育・人材育成関連企業の方、学校や教育機関教職員の方で、新しい学習活動デザインアプローチを模索している方
内容:
1.イントロ、趣旨説明
2.事例紹介
・Quest to Learn:学校カリキュラム全体のゲーミフィケーション事例
 発表者:藤本徹(東京大学大学院 情報学環)
・Find the Future(ニューヨーク公共図書館で行われたゲーミフィケーションイベント):学習活動のゲーミフィケーション事例
 発表者:池尻良平(東京大学大学院 学際情報学府 博士課程)
・Games for Learning : ゲームを用いた学習の事例
 発表者:福山佑樹(早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士課程)
3.グループワーク
4.全体セッション~ラップアップ
日時:12月16日(金)18時30分~21時
会場:東京大学本郷キャンパス 福武ホール地下2階・ラーニングスタジオ1
主催:CLG(Community for Learning and Games)研究会
共催:東京大学ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)

シリアスゲームとゲーミフィケーション

 昨日、日経ビジネスオンラインの「超ビジネス書レビュー」で拙著を取り上げていただきました。
『シリアスゲーム』で社会問題を解決! ~マジメと娯楽は両立できる(日経ビジネスオンライン 超ビジネス書レビュー)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110902/222404/
 この本書いたのは、もう4年前になるのですが(もうそんなに経つのですね・・・)、ここ最近、ゲーミフィケーションがバズワード化して急に一般層へ広まりつつあるので、その流れで関心を持っていただく方もおられるかと思います。
 それで最近もシリアスゲームとゲーミフィケーションの違いが分からないとか、同じものなのかとかという質問をいただいたり、ツイッターでそういうつぶやきを見かけたりすることもあります。
 たしかに似たところもあるし重なっているところも結構あります。分かりにくいところが誤解される向きもあるかと思いますので、少し解説しておこうと思います。
 まず、シリアスゲームとゲーミフィケーションの共通点は、「ゲームの社会的用途への応用を志向している」点にあります。
 シリアスゲームの関心は、エンターテインメントゲームの分野で発達したデザイン手法や関連技術をエンターテインメント以外の分野で活用する、というところにあります。ゲーミフィケーションもこの点は共通しています。シリアスゲームの以前から存在するゲーミング&シミュレーションという研究分野も同様です。従来のゲーム産業にとってはニッチ領域であるというところも共通点と言えば共通点でしょう。
 一方で、シリアスゲームは、あくまでゲームとしての枠組みでの社会的用途でのゲーム開発と利用を志向した考え方ですので、メディアの形態としても「ゲーム」として開発されるものが多いです。この点、ゲーミフィケーションは、ゲームデザインの手法やゲームメカニクスの要素を活かしてエンターテインメント以外の分野のサービス開発に活かそうという考え方ですので、メディアとしての形態はゲームであることにはこだわっていないところに一つの違いがあります。
 シリアスゲームは「ゲームの中に社会的テーマを取り入れたゲームの開発や娯楽以外でのゲームの利用」であるのに対し、ゲーミフィケーションは「もともとゲームでない社会的な活動やサービスにゲームの要素を取り入れて、ユーザーの満足度や利用継続を図る活動」という点が大きく異なります。
 また、シリアスゲームはソーシャルゲームの普及以前からの取り組みであることから、ソーシャルゲーム以前の従来型ゲーム産業からの影響が大きく、ゲーミフィケーションは、新興のソーシャルゲームのサービスやデザインからの影響を色濃く受けている点も違いと言えるでしょう。
 シリアスゲームの枠組でゲーミフィケーションを捉えると、「アドバゲーム」と呼ばれる企業プロモーションや営利活動促進のためのゲーム利用に近い流れにあって、むしろ「アドバゲームのソーシャル化とモジュール化」という側面が強いように見えます。ソーシャルゲーム以前の伝統的なゲーム開発者が見ればあまりゲームっぽくないものをゲームとして売っているソーシャルゲームの台頭があって、そのなかで「ゲームっぽくないゲーム」にユーザーが慣れてきたことが、ゲーミフィケーション普及の背景にあると思います。
 シリアスゲームとゲーミフィケーションを対比してみると、いくつか面白い論点があって、事例とか、海外で起きている議論なども面白いので、折を見て取り上げたいと思います。

日本教育工学会全国大会のゲーム研究セッション

今度、9月17~19日に首都大学東京南大沢キャンパスで開催される、日本教育工学会全国大会のゲーム研究関連の2つのセッションについてお知らせです。
一つ目は、9月17日に「ゲーム要素を活かした学習ソフト開発の事例研究」と題したワークショップです。
デジタル教科書への関心が高まる中、ゲーム要素やインタラクティブな仕掛けを取り入れたデジタル教材開発は今後も重要な位置を占めていくと思われます。紙媒体やCD-ROM教材の焼き直しにとどまらず、次世代のデジタル教材開発を実現していくためには、まだ乗り越えるべきさまざまな制約や困難があります。
このワークショップでは、ゲームデザインの手法を応用した「ゲームニクス」のデザインアプローチを取り入れて開発されたベネッセのニンテンドーDS学習ソフト「得点力学習DS」を事例として取り上げ、監修者、開発者、ユーザー側の教員、それぞれの立場から話題提供していただいて、このソフトのデザイン要素や開発上の工夫、実際に学校で利用してみて起きた効果などについて議論していきます。
豪華ゲストにお越しいただいて、90分枠には収まらないほどの密度の濃いセッション企画となりました。こちらも今から楽しみです。
それともう一つ、大会最終日の19日午後の課題研究で、「ゲーム・シミュレーションを利用した教育・学習支援」というテーマのセッションを開催します。
藤本より、ゲームの教育利用研究に関する動向や今後の課題についての研究発表を行います。
他にもカードゲームを用いた教育実践やゲーミング研究者の立場からゲーム教育利用やデザイン手法に関する発表があります。
ワークショップ、課題研究セッションとも、他ではなかなかやってない内容かと思います。
どうぞご参加ください!
参加費は、ワークショップの方は無料で、どなたでもご参加いただけます。
課題研究セッションの方は大会参加費(非会員当日申込4,000円)がかかります。
(3日間通しで全セッションご参加いただけます。)

日本教育工学会第27回全国大会
日程:9月17日(土)~19日(月)
会場:首都大学東京 南大沢キャンパス(京王相模原線「南大沢」駅 改札口から徒歩5分)

W04 ゲーム要素を活かした学習ソフト開発の事例研究
http://www.jset.gr.jp/taikai27/program/program_w.php#four
9月17日(土)18:00~19:30 会場:302
主催者:藤本 徹(東京大学)
概要:
ゲームを利用した教育は、多様な展開が可能な一方、制約や課題も多く、ゲーム要素を活かしつつ実用に耐える教材の開発には困難も多いのが現状である。
本セッションでは、ベネッセのニンテンドーDS学習ソフト「得点力学習DS」を事例として取り上げ、ゲーム要素と学習要素を組み合わせたデザイン手法について議論する。
同ソフトは、ゲームデザインの手法を応用した「ゲームニクス」のデザインアプローチを取り入れて開発されており、学習指導要領対応教材としての基準を保ちながらゲーム要素を取り入れるためのデザイン上の工夫が施されている。
セッションでは、同ソフトの開発担当者にゲストとして話題提供していただき、参加者とともにゲーム要素を取り入れた学習ソフトの可能性や課題を検討する。

課題研究9:ゲーム・シミュレーションを利用した教育・学習支援
http://www.jset.gr.jp/taikai27/program/program_session.php?tp=K#a_K9-205
9月19日(月)14:30-17:00 会場:205
コーディネータ: 山田政寛 (金沢大学)
司会者: 藤本徹 (東京大学) , 林敏浩 (香川大学)
K9-205-01
近年のゲームの教育利用研究の動向と今後の課題
◎藤本 徹 [東京大学], 山田 政寛 [金沢大学]
K9-205-02
歴史的解決策を現代の問題の解決方法の生成に応用する力を育成するゲーム学習のデザインと評価
◎池尻 良平 [東京大学], 山内 祐平 [東京大学]
K9-205-03
社会的ジレンマを体験するためのカードゲーム教材が協力行動意図に与える影響の検討
◎福山 佑樹 [早稲田大学], 中原 淳 [東京大学], 森田 裕介 [早稲田大学]
K9-205-04
ゲーム/ゲーミングの教育学的位置づけとそれに応じた設計原理・手法
○松田 稔樹 [東京工業大学]

BEAT公開研究会「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」(9/3)のお知らせ

 とても楽しみなセッションが企画できました。ぜひお越しください!
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お知らせ BEAT Seminar ─────────────────────
2011年度第2回 BEAT公開研究会
「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」 9月3日(土)開催!
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BEAT(東京大学情報学環ベネッセ先端教育技術学講座)では、
2011年度第2回 BEAT Seminar 「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」
を9月3日(土曜日)に開催致します。
学習環境のデザインにおいて、学習者の意欲を高め、学習活動に引き込む手法
はこれまでにもさまざまな形で提案されています。
ユーザーを活動に引き込むという観点からは、デジタルゲーム開発で
取り組まれている、楽しさを生み出す世界観やコンテンツデザインの手法は
独自の発展を続けています。
今回のBEATセミナーでは、コーエーテクモゲームスで歴史ゲームを
プロデュースされている竹田智一さんと、eラーニング教材開発の専門家
熊本大学の鈴木克明さんにお越しいただき、ユーザーの活動を促進する環境
デザインについて議論します。
みなさまのご参加をお待ちしております。
日時:2011年9月3日(土)14:00~17:00
場所:東京大学 本郷キャンパス 情報学環・福武ホール(赤門横)
福武ラーニングシアター(B2F)
アクセスマップ>>http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map46.pdf
内容:
14:05-14:45
1.講演1「歴史ゲームのシナリオ開発の実際」
竹田智一 (コーエーテクモゲームス)
14:50-15:30
2.講演2「シナリオを重視した学習コンテンツデザイン」
鈴木克明 (熊本大学)
15:40-16:00
3.参加者によるグループディスカッション
16:00-17:00
4.パネルディスカッション「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」
司会:
高橋 薫 (東京大学)
パネリスト:
竹田智一 (コーエーテクモゲームス)
鈴木克明 (熊本大学)
藤本 徹 (東京大学)
定員:180名
参加費:無料
(懇親会:セミナー終了後1F UT Cafeにて 参加希望者(3,000円))

参加お申し込みはこちらからどうぞ。
http://www.beatiii.jp/seminar/index.html

2011年度「シリアスゲーム論」開講

 今年も東京工芸大学で担当している「シリアスゲーム論」が開講しました。この授業も3年目になるので、これまでのスタイルからかなりバージョンアップを試みました。
 授業の構成はこれまで通り、シリアスゲームに関する講義とデザインワークショップ、グループプロジェクトを基本にしてますが、今回は「クエスト型授業」というコンセプトを新たに取り入れました。
 クエストというのは、ロールプレイングゲームなどではおなじみの、プレイヤーがあちらこちらに行って、敵を倒したり、アイテムを集めたり、村人に頼まれてお遣いをしたりといった、ゲームシナリオ上の目的達成のための活動です。ゲームによってはミッションとかタスクとか呼ばれたりします。
 クエストを授業の文脈で言えば、要は「課題」のことです。とはいえ、課題や点数をクエストや経験値と言い換えてるだけではなくて(そういう安易な迎合には学生たちは手厳しいです)、授業デザイン的にかなり込み入ったことをしています。下記にシラバスを抜粋して掲載しますが、特徴としては、
・課題(クエスト)の選択肢を大量に用意して、選択の自由度を高めている
・企画とデザインとプログラムの3つの専攻の学生がいるので、それぞれに合わせて課題の内容を調整している
・課題の達成と評価の透明性を高めて、自分や他の受講生の達成度を把握できる
などを意識して授業を組み立てています。せっかくゲームについて教えているのに、授業はオーソドックスな大学の授業の形式では面白くないので、授業での活動そのものからゲームを経験できるような作りにしたいと考えています。
 これまでのスタイルを踏襲して、講義の時間を極力減らして、ワークショップやプロジェクトを通して学ぶことを重視していますが、教える側が慣れてきた分、もっと先鋭化させて、学習の密度を濃くすることに注力しています。それと今回は、あえてゲスト講師の力を借りずに、ソロでどこまで内容を充実できるか挑戦しています。
 初年度からこういうアプローチでやりたかったんですが、いかんせん授業に不慣れだったのと、準備が追い付かなくて見送ってました。今年度実施に踏み切ったのは、米国でこの手の事例が出始めたので、勇気づけられたというか、背中を押されたところがありました。それと昨年から「ゲーミフィケーション」という言葉が一気に拡がっているのですが、数年前の「仮想世界」ブームの時のように、コンセプト先行で、実体が伴わずに失速しそうな感があるので、そうならないためにもここで「教育のゲーミフィケーション」の形を一つ示しておきたいという気持ちもあります。
 準備と運営が落ち着くまでは普通の授業よりもかなり負荷がかかることもあって、まだクエストのラインナップがそろってないし、昨年度の内容のアップデートが追い付いてません。まだ骨組みだけで走りながら中身を作っている感じでかなり心もとないのですが、今までにない大学の授業の一つの形を生み出すことを目標に、7月末まで走り切ってみたいと思います。
 またそのうち、どんなことをやっているかご報告したいと思います。
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東京工芸大学 芸術学部 ゲーム学科(2011年前期)
「シリアスゲーム論」 シラバス
時間:火曜5限(16:40~18:10)、
場所:042教室(厚木キャンパス本館4F)
★授業の趣旨と目的:
 この授業では、次のような学習機会を提供する。
・従来のエンターテインメントにとどまらない社会的目的で開発・利用されるデジタルゲーム「シリアスゲーム」に関心を持ち、関連する知識をより深く学ぶ
・シリアスゲームに自らの見識を持ち、将来クリエイターとしての自身の仕事に役に立つ知識を身につける
・ゲームと社会のつながりへの関心を高め、社会のためになるゲームの開発を実際に経験する
 これらの学習機会をより楽しく、より密度の濃い形で提供するために、授業全体をゲームデザインのアイデアを取り入れた「クエスト型授業」として構成している。さまざまなクエストを達成しながら、実際にシリアスゲームを企画・デザインする過程を通して、シリアスゲームが社会に果たす役割や可能性を理解できる。従来の授業とは異なる運営方法や評価方法を採用しているため、本シラバスをよく読み、担当講師の指示をよく聞いて授業に参加すること。
★ルール:
・クエスト:この授業は数多くのクエスト(課題)で構成されている。当初から示されているクエストのほかに、途中で開放される隠されたクエストも用意している。
・レベルと職業:受講生は全員「レベル1見習い」からスタートし、「職業選択クエスト」で自らの職業を策師、技師、絵師の3種類から選択する。各種クエストをクリアして経験値を貯め、レベルを上げていく。授業の最終期限までにどれだけレベルを上げられるかでこの授業の評価が決まる(詳細は後述)。
・クエストの選択の自由度:クエストには取り組み易い順序や期限付きのものが含まれるが、基本的に受講者の好みに応じてどの順番で取り組んでもよい。つまり、従来の授業よりも授業で取り組む課題の選択肢の自由度を高く設定している。
・前提スキル:履修の前提条件は特にない。プログラミング、グラフィック制作等のスキルはグループプロジェクトにおいて有用だが、必須ではない。
・授業外のコミュニケーション:担当教員は非常勤のため、キャンパスには授業時にしか来ていない。そのため授業のアナウンスや課題提出にはコウゲイ.netやツイッター等のオンラインツールを最大限に活用する。
★勝利条件(成績評価方法と基準)
・受講者の貯めた「経験値」は、最終的な成績評価に直結している。上位1割程度(人数は履修者数と全体のレベルによって変動)に最高ランク「秀」の称号を与える。同様に、下位1割には本授業の称号は付与されない(つまり「不可」)。
・経験値に対応してレベルが上昇する。各自のレベルは不定期にアナウンスされる。各レベル到達に必要な経験値は次のように設定されている。
0~700pt   Lv01~10
701~800pt  Lv11~15
801~900pt  Lv16~20
901~950pt  Lv21~25
951~1000pt Lv26~30
・レベル30が通常の上限だが、各クエストの達成度によって得られるボーナスポイントによって、レベル上限を超えることができる。
・レベル10以上で称号が得られるようにバランス調整しているが、受講者全体がハイレベルな場合は、下位1割ルールが適用されて称号が得られない場合もあるので注意すること。
★クエストで得られる経験値:
・当初から公開されているクエストと、各クエストから得られる基本経験値は以下の通りである。授業の展開に応じて、隠しクエストが解除されて公開される。また、各クエストの達成時間の速さや内容の充実度によって加算されるボーナス経験値が個別に設定されている。
◆ソロクエスト:
・授業出席:10pt×15回
・授業課題:20pt×15回
・ゲームレビュー:10-20pt/回
・文献レビュー:20-30pt/回
・ソロ企画:50-70pt
◆グループクエスト:
・ギルド結成:30pt
・プロジェクト企画書:70-100pt
・プロジェクトデモ:100-120pt
※上記に加え、達成度に応じて加点される
★ボーナス経験値の付与基準例:
A:自分の考えを詳しく丁寧に論じている、かつ独創的な視点やアイデアを示している (+10pt)
B:自分の考えを詳しく丁寧に論じている、または独創的な視点やアイデアを示している (+5pt)
C:課題で求められている最低限の基準は満たしている (標準)
D:課題で求められている基準を満たしていない (ポイントなし)
★授業スケジュール:
第1回(4/12)
・ガイダンス
・ワークショップ(1)ゲームトークバトル  ・クエスト:リフレクション
第2回(4/19)
・シリアスゲームとは
・ワークショップ(2)ゲームクリエイター/ゲーマーの証 ・クエスト:リフレクション、職業選択
第3回(4/26)
・シリアスゲームの事例研究(1)教育への利用
・ワークショップ(3)シリアスゲームの発想  ・クエスト:リフレクション、選択クエスト
第4回(5/10)
・シリアスゲームの事例研究(2)社会問題とゲーム
・ワークショップ(4):ソロ企画グループ発表セッション ・クエスト:選択クエスト
第5回(5/17)
・シリアスゲームのデザイン(1)
・ワークショップ(5)企画トレーニングその1
第6回(5/24)
・オンラインクエスト(1)
第7回(5/31)
・オンラインクエスト成果発表セッション ・クエスト:相互レビュー、選択クエスト
第8回(6/7)
・シリアスゲームのデザイン(2)
・ワークショップ(6)企画トレーニングその2  ・クエスト:選択クエスト
第9回(6/14)
・シリアスゲームの企画各論(1)学習要素の理解
・ワークショップ(5)学習要素の整理 ・クエスト:選択クエスト
第10回(6/21)
・シリアスゲームの企画各論(2)目的とデザイン
・ワークショップ(6)経験から次の実践へ   ・クエスト:選択クエスト
第11回(6/28)
・オンラインクエスト(2)
第12回(7/5)
・シリアスゲームの企画各論(3)成果の評価
・ワークショップ(7)評価項目の作成  ・クエスト:選択クエスト
第13回(7/12)
・オンラインクエスト(3)
第14回(7/19)
・グループプロジェクト成果発表会
・クエスト:プロジェクト成果、プロジェクト相互レビュー
第15回(7/26)
・まとめ、振り返りセッション
・結果発表
(※スケジュールは授業の進捗状況などの都合で日程や内容を変更する場合があります。)

九州大学シリアスゲームプロジェクトシンポジウム参加報告と講演スライド

 15日に開催された、福岡市委託事業 九州大学シリアスゲームプロジェクトシンポジウムに講演者として参加してきました。
 シンポジウム参加者の皆さま、関係者の皆さま、おつかれさまでした。また、震災で直接被災された皆さま、さまざまな形で影響を受けて心を痛めておられる皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。
 今回は開催自体の判断が迫られる状況の中、もうひとつ福岡市で予定していたゲーム関連のイベントは中止となったそうですが、このシンポジウムについては開催していただいて本当によかったです。
 シンポジウムでは、まずオランダのシリアスゲーム分野(オランダでは「Applied Games」と呼ばれているそうです)の動向についての講演に続いて、藤本の講演、そして九州大学のシリアスゲームプロジェクトの2年目の成果報告、最後にシリアスゲームのビジネスをテーマとしたパネルディスカッションが行われました。今回の目玉として、九州大学のシリアスゲーム開発事例としてリハビリゲームの「リハビリウム」、iPhoneアプリを利用した観光ARG「福ぶら」のこれまでの進捗と活動成果が紹介されましたが、とても興味深い事例が生まれており、3年目のプロジェクトの取り組みがさらに楽しみになりました。
 藤本講演については、当初はシリアスゲームサミットGDCの話をもっと盛り込みつつ、ビジネス寄りの話をする予定でいたのですが、シリアスゲーム、さらにはゲーム全般の開発や普及に携わる立場の私たちが、この状況でどのような役割を担っていけばよいか、社会との関わりとして何ができるのか、といったことを考えるための話題を提供する内容に変更して話をしてきました。
 拙い話でうまく自分の思いを伝えきれてないところもあると思いますが、ゲームに関わる人々に何か少しでもこのようなテーマで考えるきっかけを提供できたら幸いです。当日使用した講演スライドを公開しますのでご覧ください。またシンポジウムの模様は、Ustreamの録画を下記でご覧いただけます。
シリアスゲームプロジェクトシンポジウム; Ustreamアーカイブ