「シリアスゲーム」刊行8周年記念トークセッションを開催しました

 先週金曜日の2月20日に、Ludix Lab主催の「『シリアスゲーム』刊行8周年記念トークセッション」を開催しました。ちょうど2007年2月20日から8年目でのセッションで、予定よりも多くの参加者の方にご参加いただきとても盛況な会となりました。ご来場くださった皆さま、どうもありがとうございました。
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 セッションでは刊行当時の状況を振り返り、Ludix Labフェローから本書の各章の解説、最近のシリアスゲームのその後の展開についての話をしました。
・シリアスゲームを軸とした異分野連携による活動の進展が国内にも拡がってきたこと
・シリアスゲームの効果に関する研究が進展していること
・学校へのゲーミフィケーション導入の動きが進んできている
という点について、事例を紹介しながら解説しました。
 最後に
・小説、映画、マンガ、アニメなど、他のコンテンツ産業と同様に「良質なエンターテインメント」として社会のためになるゲーム
・学校が対応できてない、人々の学びや成長を支える、「教育や社会問題解決のためのツール」としてのゲーム
・本来の意味での「ゲーミフィケーション」による、「社会の仕組みや活動を支える要素」としてのゲーム
といった、3つの方向でさらにこの分野での研究や実践が進んで行って、わざわざ「シリアス」をつけなくても、ゲームの有用さや価値に対する社会の認識が変わっていく過程にあるし、まだ未開拓領域の多い、さらに追求していく意義の大きいテーマであるという話で結びました。
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 今回のセッションを終えて、これまでこのテーマでの研究や実践を10年ほど続けてきて、途中どうなることかと思うこともありましたが、振り返れば実はそれなりに道が出来ていたのだなという心境です。自分が続けなければ停滞して消えていくのではないかと危惧する厳しい時期もありましたが、この方向で進んでいきたい人のために自分の持ち場を守るような気持ちで続けてきたところもありました。
 今も決して成功しているわけではありませんが、自分が関わらなくてもあちこちでシリアスゲームのイベント(今日も「シリアスゲームジャム」が開催中です)やプロジェクト(3月のDiGRA Japan年次大会では10件以上のシリアスゲーム・ゲーミフィケーション関連の研究発表が行われます)が行われるようになりました。それに何よりも、Ludix Labのフェローたちをはじめ、一緒に活動できる仲間が増えてきたことが、ここまでの活動の大きな成果だなとあらためて考えさせられるセッションでした。
 今回も企画して準備してくださったLudix Labフェローの為田さん、高橋さん、池尻さん、福山さん、それに運営スタッフの皆さんもおつかれさまでした。これからも引き続きよろしくお願いします。
 今年度のLudix Labの活動はここまでで一区切りですが、来年度もまた違う形で研究会やワークショップなどを企画したいと思いますので、皆さんまたどうぞご参加ください。
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